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2020-03-12 00:00
(連載1)米民主党ブティジェッジに4年後はあるか
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
インディアナ州サウスベンド市の前市長であるピート・ブティジェッジが今回の大統領選からの撤退を発表した。ハーヴァード大学卒業、ローズ奨学生でオックスフォード大学院留学、8か国語を操り、市長時代に南北戦争時代につくられた条例(市長は休職して軍務に就くことができる)を利用して海軍の情報士官としてアフガニスタン派遣、そして昨年1月に出馬検討を表明。しばらくは支持率ゼロ%の全くの無名候補であったが、同年3月にCNNのタウンホールミーティング形式番組での丁寧かつ当意即妙なやり取りが話題となり、MSNBCでも取り上げられ、人気が出てきた。そして有力候補の仲間入りとなった。日本では急に出てきたように報道されてきたが、昨年の3月から既に有力候補者であった。同性愛者で配偶者チャステンと共に選挙運動をするなど人々の注目を集める存在だった。
バイデンのサウスカロライナ州での予想外の圧勝の後ということもあって、ブティジェッジの撤退のタイミングは、バイデンを勢いづかせる。サンダースはサウスカロライナ州での敗北は織り込み済みであったが、予想よりも低い得票率しか上げられなかった。これはサンダースにとってはブレーキとなる。中道派がまとまりを見せようという中で、サンダースにとってはウォーレンの支持層を取り込めるかが問題だ。サンダースとウォーレンは日本では同じ左派として一括にされがちだが、個別の政策は異なる部分が多く、撤退した際、ウォーレンはサンダースを支持するとは言わなかった。
ブティジェッジに話を戻そう。今回のブティジェッジの撤退はいろいろと「約束」があるのだろうと思う。今の民主党は、簡単に言えば「オバマの党」と「サンダースの党」に分裂している。ブティジェッジは完全にオバマの党の一員だ。インディアナ州サウスベンド市はシカゴに近く、ブティジェッジはシカゴにも選挙支部を置いていた。オバマが大統領退任直前のインタビューで、民主党には多くの未来のための人材がいる、として全く無名のブティジェッジの名前を挙げていたことも考えると、今回の撤退の裏では、オバマからの何らかの話がブティジェッジに、直截に言えばバイデン支援に回るよう言われたのではないか。
「モーニング・コンサルト」社の世論調査での「ブティジェッジ支持以外の方に聞きます。ブティジェッジの次に支持する候補者は誰ですか?」という質問に対する答えが「サンダース:21%、ウォーレン:19%、バイデン:19%、ブルームバーグ:17%」という結果であった。この数字を見ると、ブティジェッジ支持者の「二番目のお気に入り(second favorite)」はバラけているということが分かる。これはブティジェッジの主張が進歩主義派と中道派の「いいとこ取り」であったためで、従って、中道だからといってバイデンに多くの支持が集まるとは限らない。(つづく)
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