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2020-05-15 00:00
(連載1)緊急事態条項の憲法議論を進めよ
松川 るい
参議院議員
憲法記念日を外出自粛の中迎えることとなるとは誰も思いもしなかったことでしょう。緊急事態が生活に直接的に影響を及ぼす経験をした国民は現行憲法施行以降は存在しないという幸運を我々は享受してきました。しかし、「緊急事態」が存在するということ、そして、平時の発想で物事に当たると、大変な迷惑を被ることを我々は身をもって体験しています。
「雇用調整助成金、悠長な審査やられては困ります」、「アビガン、完璧に安全確認できてなくても死にたくないので早く使わせてくれませんか」、「移動の自由というけれど、できれば来ないでください」、「休業してくれないパチンコ店、危険なので閉めるように是非罰則を設けて下さい」などなど、実際に、普通の方々から聞くお声です。日本の社会制度や法律は、ほぼ全ての人が善人であることと平時であることを前提にしています。それは方向としては美しいと思いますが、世の中にはそうではない方もいれば、有事もあります。国はそのような事態を含めて国民を守る備えをする義務があると考えます。この備えがないことは日本の内なる脆弱性です。
だから、世界の殆どの国の憲法で緊急事態条項が設けられているのです。別に、中国やロシアのような強権的な国だけにあるわけではありません。むしろ、民主主義国(特に大陸法系の国)こそ、緊急事態においては、個別の私権を制限してでも守らなけれがならないより大きな利益がある、という現実を直視しています。
というのも、そのような規定を置いておかない方が、却って緊急時に国家権力による私権の制限に歯止めがかからない可能性があるからです。多くの国の憲法において、緊急事態において、行政権への権力の集中や必要に応じての私権制限を認めると同時に、事後の国会報告や検証など、一定の歯止めも設けられています。(つづく)
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