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2020-05-16 00:00
(連載2)緊急事態条項の憲法議論を進めよ
松川 るい
参議院議員
外出自粛、休業要請、死の恐怖、というまさに、世界が「第三次世界大戦」とも称する未曾有の有事において、世界110か国以上の国の憲法に存在する緊急事態条項について考えることは、当然のことではないでしょうか。これを、「コロナに乗じて」とか「考えることがけしからない」という主張こそ、けしからないと思います。
そのような主張をする方々からは「憲法を一言でも弄ること自体が危険!」という姿勢が垣間見えますが、憲法は国家国民のためにあるものです。どれだけ日本の民主主義を信頼していないんだろう、と思います。どこの国でも、国民のため必要があれば憲法改正はやっています。日本ぐらいです。いい加減、この「憲法改正=悪」とか「憲法改正=戦争」みたいな、荒唐無稽な、世界でどう説明しても通用しない幻想から脱却し、もっと普通の議論をしたらどうでしょうか。憲法をイデオロギー化するのはもういい加減やめるべきです。
私は緊急事態条項は憲法上あって当然であり、むしろ規定する内容を適切なものとすることこそが重要と考えますが、そもそも緊急事態条項はあってはならないという考えの方もいることでしょう。様々考えがあってしかるべきと思います。私が違和感を感じるのは、憲法審査会も開かない、開いたと思ったら1人数分の発言しかできず、1回やって終わり、みたいな、「議論自体をする気がない」姿勢そのものです。議論すら拒否するなら、国会なんていらないのでは。議論すること自体を忌避し恐れる必要はないでしょう。国民のために国のために憲法はどうあることが良いかという普通の議論を普通にできて然るべき時間と経験を我々は積んできたのではないでしょうか。真の危機に際してさえ突き詰めて考えもしないとなれば、本当の「思考停止」でしょう。
直近のコロナ対策が最重要の喫緊の課題であり憲法論議の時間的優先度が劣ることは当然です。しかし、根本的な問題について考えることが妨げられることはおかしなことです。今回の危機における経験も踏まえ、本来、憲法にどのような緊急事態における備えを設けるべきか、コロナ対策の目途がたったらしっかりとじっくりと時間をかけて国会において議論を行うべきだと考えます。(おわり)
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