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2020-06-12 00:00
(連載2)コロナ対策における自衛隊の貢献を正しく知ろう
篠田 英朗
東京外国語大学大学院教授
防衛省本省のおひざ元のホテルグランドヒル市ヶ谷では、検査結果待ちの帰国者・入国者の受け入れ態勢が、万全の構えで実施された。自衛隊から徹底指導を受けたホテル職員や委託業者職員が対応にあたったが、不備なく進められ、「自衛隊から民間への業務移管の初の成功例」だと言われる。といってもこれをきちんと伝えているのが、防衛省・自衛隊関連のニュースを専門とする『朝雲新聞』だけであるようなのは、寂しすぎる。
自衛隊は、ダイアモンド・プリセンス号事件以来、新型コロナ対策の最前線で活動しながら、いまだ感染者を出していない鉄壁の体制を敷いている。この自衛隊の功績を、正当に評価しないのは、寂しい。ただし、それだけではない。極めて限定された数の入国者に対する検疫も、自衛隊の大々的な助けがなければ実施できなかった事実を、われわれがよく認識していないことが、もう一つの寂しさの原因だ。
社会経済活動を動かしていくためには、永遠に鎖国しているわけにはいかない。しかし日本の感染者数1万6千人にたいして、世界の感染者数は540万人だ。しかも国外ではまだすごい勢いで増え続けている地域が多々ある。日本にとって開国のリスクが大きいことは否定できない。場合によっては、出国時・入国時に複数の検査を義務付けるくらいの徹底した検査体制は、開国の当然の前提になるだろう。自衛隊なくしても検査を実施し、検査待ちの人々・陽性判定対象者を管理していくためには、相当の準備がいる。関係者はそれをやっているのだろうか?航空業界の関係者は、「検査税」徴収による航空運賃の実質上昇があっても、万全の体制で開国をすることが長期的な利益になることがわかっているのではないだろうか?
経験豊富になった自衛隊関係者の知見をよく吸収し、それをふまえた対策をとっていくことが重要だ。今後の空港検疫体制の充実を、実質指導してほしい。いずれにしても、緊急事態宣言下における感染拡大抑制の隠れた英雄である自衛隊の多大な貢献を、無駄にすることがないように、よく記憶にとどめておきたい。(おわり)
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