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2020-07-01 00:00
(連載1)「盛り上がりに欠ける」都知事選の見方
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
東京都知事選挙が7月5日に迫っている。現職の小池百合子都知事をはじめ、総勢22名の候補者が立候補した。今回の都知事選は任期が切れるから行っているだけで、争点がない。東京都だけ飛び抜けた感染件数を叩き出している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、都民の最大の関心事だが、まだまだ第二波がくるかもしれず、評価できる状況ではない。オリンピックも来年に延期となったし、経済政策もコロナ被害で展望できる状態ではなく、すべての都政が「継続中」という感じである。都政にしろ国政にしろやっと経済に関する政策が動き始めたという程度だ。そのような状況で、頭を替えるべきが問われている。
振り返ってみれば、前回2016年の時は前職の舛添要一氏が、その前は猪瀬直樹氏が、いずれも不祥事で辞職したことを受けての都知事選であった。ゆえに、都政に区切りがついていた状況で、都の新しい政策として何が求められているのか、後釜は誰になるのかが争われた。要するにいずれも「新人」であって、これからのビジョンをしっかりと語る選挙らしい選挙であったと思われる。
そのうえ、前回は、現在の都知事である小池百合子氏が、自民党の衆議院議員であったのを突然辞任し、自民党の意向を無視する形で都知事に立候補した。それに対して自民党東京都連は増田寛也氏を擁立している。要するに、混沌として先がなかなか読めない感じで、誰もが勝機を感じて争点を洗い出していた。だからこそ、多くの候補がしっかりと東京都の将来のビジョンを語っていたので、有権者としてもジャーナリストとしても筆者はそれなりに楽しかったのであるが、しかし、今回の都知事選は「小池都政の継続の是非」ということしか判断基準がない。そうであれば、小池都政の4年間の何が悪かったのかというような評価がなされるべきだろう。しかし、残念ながら各候補が主張しているのはすべて「コロナ対策」ばかりである。これではなかなか盛り上がるはずがないのである。
ついでに言えば、盛り上がる有力新人候補もいない。まあ、無風選挙になっているのである。結果に関してはあまり言うつもりはない。そんなものは投票日の7月5日を過ぎればわかる。新人たちが争点を作ることができなければ世論は分裂しないのであるから、選択肢は「実績にある方」になってしまうのは自明だ。そもそも、新人候補たちの主張には首を傾げざるをえない論が目立つ。(つづく)
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