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2020-07-02 00:00
(連載2)「盛り上がりに欠ける」都知事選の見方
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
例えば、コロナウイルス関連の政策判断としては、「人命を重視(重症医療の充実を主張)」するのか、もしくは「検査の重視(検査体制の整備)」するのかという次元の議論がある。そして、それとはまた違う次元の議論として「感染症対策を優先」するのか「経済を優先」するのかというように分かれる。特に、給付金を配れと主張する候補が多いのに興味深く感じる。「10万円上げるから票をください」というような感じになっているのは、公約としてどうなのだろうか。
また「オリンピック」の開催の是非でも都知事選のテーマとしてどうかと思うのに、「消費税」減税、「原発」問題、「米軍基地」問題など、発言内容からして国政と都政を完全に混同している候補もいる。都知事になるのであれば、当然に都政を語るべきであり、国政を語りたいのであれば出馬する選挙が違うはずである。当然に、消費税とか原発などを公約に出している候補はたとえ当選できたとしても都知事の権限では「公約が実現できない」のであり、有権者をだましているとしか言いようがないのである。初めからできない約束をしていて、マスコミが取り上げそうな話をするだけで、都政については何も語らない。そのような選挙をしている人を信用できるのであろうか。このように考えると「まともに都政について語って、選挙を戦っている」候補のいかに少ないことか。まあ、それくらいで簡単に騙される有権者は多くないと信じたいが、筆者の感覚では現在の都政においては普通にありうることのようにも思う。
もう一つ、言及したいのは、山本太郎候補である。この候補、参議院選挙で100万票弱を稼いだと豪語しているが、今回その勢いが試されることになる。つまり、参議院選挙後にマスコミで言われていた「れいわ新撰組ブーム」はいつまで続くのかということには、今後の国政選挙にも影響するだろうから、注目すべきだ。
さて、選挙後であるが、いくつか注意点がある。まずは「現職が何票取れるか」ということであろう。今回の選挙では、衆参両院の与党である自民党が推薦候補を擁立していないために、前回の都知事選では組織票だったものが自主投票になっている。自民党支持層が現職都知事を認めるのか、それともより右の候補に流れるのか、あるいは投票行動が変わりリベラルな候補に動くのか、非常に興味深い。盛り上がりに欠けるが、関心を寄せるべき選挙だといえるだろう。(おわり)
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