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2020-07-21 00:00
(連載2)「敵基地攻撃能力」に慎重な船田元氏の見解に思う
加藤 成一
元弁護士
以上、船田氏の見解をめぐり管見を披露させて頂いたが、もとより同氏の見解は、法的にも極めて論理的且つ緻密であり、先制攻撃など敵基地攻撃能力保有による危険性を指摘されたものとして傾聴に値する見解であると言えよう。ただ、北東アジアの安全保障環境が1946年の憲法制定当時と比べ大きく変化したことも事実である。その当時は、中国も北朝鮮も核兵器を保有していなかったが、今や両国ともに核保有国であり、核弾道ミサイルをはじめ、各種ミサイルなどの武器水準も年々高度化させており、非核保有国である日本の安全保障にとって極めて大きな脅威となっている。
特に、中国とは現在「尖閣問題」で危機的状況にある。これらのことを考えると、日本の安全保障のために、自衛のための抑止力である敵基地攻撃能力の保有をタブー視すべきではなく、党派を超えて、日本の独立と安全、国民の生命と平和な暮らしを守るため、今こそ、保有に向けた建設的議論をすべきである。前記の通り、敵基地攻撃能力の保有は、日本の抑止力の飛躍的向上のために必要不可欠だからである。
なお、敵基地攻撃能力の保有に反対する多くの左派政党は、自衛隊や日米安保による抑止力を認めず、決まって話し合いによる「平和外交」が唯一絶対であるかの如く主張する。しかし、古くは1939年ナチスドイツのポーランド侵攻による第二次世界大戦の勃発、2014年ロシアによるクリミア併合、中国による南シナ海における軍事基地建設、東シナ海における尖閣諸島への執拗な領海侵入などの事実を見れば、話し合いによる「平和外交」が必ずしも有効でないことは、歴史上余りにも明らかである。
筆者は、敵基地攻撃能力の取得につき肯定的に捉える立場から船田氏の見解にコメントしたが、その前提となる持論については、2020年7月2・3日付「議論百出」掲載の拙稿「敵基地攻撃能力は日本防衛に不可欠」(連載1・連載2)、2017年10月20日付「百家争鳴」掲載の拙稿「専守防衛と抑止力は矛盾しない」、2019年2月21日付「百家争鳴」掲載の拙稿「護衛艦いずもの空母化は専守防衛に反しない」を参照されたい。(おわり)
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