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2020-07-22 00:00
(連載1)コロナウイルスの陰で動くイラン情勢
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
コロナウイルスのニュースばかりになって、日本では、ずっと感染者数の話ばかりである。いま、世界中で大国が新たな動きを見せかなり重要な局面に至っているのに、これでは何が起きているか全くわからない日本人が増えてしまう。なにかに「人々の耳目が集まる」ということは、裏を返せば「注目されなくなる場所がある」ということだ。今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、世界が内向的な政治にならざるを得なかった。外交活動をしようにも外交官のそれを含めてやむを得ないものを除いて殆ど全ての人々の出入国が制限されてしまい、外交問題に目を向けようにも向きようがなかった気がするのである。
さて、日本は輸入がないと成り立たない国である。食料品に関しては、農林水産省の試算ではいざとなれば生産を統制すれば何とかなるとのことだが、少なくともエネルギーに関してはほぼ全く日本は自給できない。電力に関しては、原子力などについては定期的な輸入なしでも使えるが、現在30%以上の電力シェアを占め主力電源となっている火力発電で消費する石油や石炭は、プラザ合意以降ほとんど輸入に頼っている。特に石油については、電力だけではなく、プラスチック製品の原料であることを始めとして用途の裾野が広く、そして代替が効かない。それらの輸入は、石炭は中国とオーストラリア、石油はほとんどが中東に頼っている。
その意味で、今回はイランで起きた事故に目を向けたい。イランはソレイマニ司令官を米軍に暗殺されたあと、アメリカとの全面戦争に踏み出すのではないかといわれていたが、実際には思いとどまり、現在は国内の引き締めと活発な軍事活動を行っている。それには、核兵器の製造も含まれている。この核兵器の製造が行われる施設が7月2日に火災を起こしたのをご存知だろうか。
新型コロナウイルスのニュースに埋もれて日本では殆ど話題にならなかった。イラン原子力庁は2日に同施設で事故が発生したと発表。その後に公表した写真では、地上1階建ての建物の屋根と壁の一部が焼けているほか、ドアが一部吹き飛ばされている様子が見て取れる。火災と爆発が起きたようなのだ。(つづく)
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