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2020-09-01 00:00
(連載1)新憲法の「領土割譲禁止」条項に北方領土問題は該当するか
袴田 茂樹
日本国際フォーラム評議員/青学・新潟県立大学名誉教授
7月1日のロシアにおける全国投票で、改憲草案が「賛成多数で国民の承認」を受け、7月4日から発効した。わが国で問題となったのは「領土割譲禁止」条項である。そして、新法規では、この条項に反する行動をした場合、最長で禁固十年の刑法処罰の対象となる、と伝えられている。領土割譲禁止と同時に、プーチン大統領の提案で「国境線画定」のための外務省による交渉は認めるとされた。
私は7月8日の産経新聞「正論」で、「国境線画定」云々は旧ソ連諸国だけでなく日本も想定していると思われるが、しかし実際には日本に期待を抱かせ、せっせと対露協力を続けさせるための「疑似餌」だと指摘した。疑似餌ということは、本音はそこにないということだ。つまり、北方領土は「領土割譲禁止」条項に該当するロシア領だと見ているということである。
7月3日にプーチン大統領が改憲作業部ループとのビデオ会議で述べた言葉が、そのことを明確に示している。国民投票の翌日の7月2日、国後島では「領土割譲禁止」条項を祝って、記念碑が建立された。記念碑には「領土割譲禁止」が規定された憲法第67条の条文と地図が記されている。その翌日の会議でのプーチン発言は、その国後島の記念碑に関して「領土割譲禁止」を確固とするものとして言及している。わが国のメディアでは断片的にしか伝えられていないので、以下関連部分のプーチン発言の全文を翻訳する。
「皆さんの多くが(新憲法草案に対して)自ら重要な修正を行いました。皆様方はそれぞれの専門分野で著名な専門家です。そして、最高の意味においてロシアの真の愛国者であります。私は再びそのことをここで強調しておきたい。皆様の諸提案は、国民の期待と完全に一致しています。そのことは、ウラジーミル・マシュコフ(訳注、作業グループのメンバーで、著名な映画監督、俳優、ロシア人民芸術家)の領土割譲禁止の提案を想起するだけで十分です。この問題が特別の意味を有しているロシアのある地域の住民は、マシュコフの改憲の言葉を、文字通り「鉄筋コンクリート」の如き強固な意味を有していると受け止めました。そのため、このことが記されている憲法第67条を記念して、その地域では実際に鉄筋コンクリート製の記念碑が建立されたというテレビ報道を、多くのロシア国民は見たことと思います。」(つづく)
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