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2020-09-30 00:00
(連載1)香港国家安全維持法施行後の香港の動向予測
山崎 正晴
危機管理コンサルタント
6月30日、「香港国家安全維持法(国安法)」が施行された。その翌日から同法に基づく逮捕者が相次ぎ、特に8月10日には、中国共産党に批判的な香港紙・蘋果日報の創始者である黎智英(ジミー・ライ)氏、日本でも著名な民主活動家の周庭氏など10人が逮捕され世界中に衝撃が走った。
それに先立つ7月31日には、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が新型コロナウイルス感染急拡大を理由に、9月に予定されていた立法会選挙の1年延期を発表。9月1日には、同行政長官が記者会見で、学校教科書から三権分立に関する記述が削除された理由について「行政、立法、司法の3機関は互いに協力はするが、最終的には行政長官を通じて中国政府に責任を負う」と述べ、「香港における三権分立の存在」を明確に否定した。
9月22日、報道の自由に関する懸念が強まる中で、香港警察は香港記者協会や香港撮影記者協会などに対し、今後は両協会などが発行した会員証を認めないと通告、メディアを管理していくのは「協会」ではなく「政府」であることを示した。
97年返還時の「一国二制度50年間保持」の約束は、中国政府により一方的に反故にされ、これまでの香港は終わった。これまで持っていた自治権を剥奪され、異質な政治思想を持つ中国共産党の支配下に置かれる香港の人たちには、心からの同情を禁じ得ない。しかし、その一方で、長く続いた騒乱が収束し、香港に「安定」がもたらされたことで、ホッとしている人たちが少なからずいることも事実だ。いずれにしても、われわれ日本人が国安法制定に不満や苦情を言う資格はない。中国が自国の一部である香港の位置付けを変更しただけのことであり、南シナ海や尖閣問題とは全く性質が異なる。それが正しかったかどうかは、歴史の審判を待つしかない。今われわれがすべきことは、大きな環境の変化に迅速に対応し、リスクをチャンスに変える努力につきる。(つづく)
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