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2020-10-15 00:00
(連載1)トランプ大統領の「スタンバイ」発言の真意はどこにあるか
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
共和党のドナルド・トランプ大統領と民主党のジョー・バイデン前副大統領との間の討論会で、最後の方だったと記憶しているが、白人優越主義(White Supremacism)に対して、トランプ大統領は直接非難するような言葉を使わなかった。白人優越主義とつながりがあるプラウド・ボーイズ(Proud Boys)に対して、「スタンバイ(stand by)」するように求めた。
このスタンバイは日本語にもなっており、「準備を整えていつでも出られるようにしておく、待機しておく」という意味で使われる。インターネット上の英和辞典で調べると、「そばにいる、(何もしないで)傍観する、(いつでも行動できるように)待機する、(放送開始に備えて)待機する、スタンバイする」という意味が書かれている。トランプ大統領が「何もしないで傍観する」という意味で使ったのなら、プラウド・ボーイズの過激な行動をしないように求めるという言葉になるし、「いつでも行動できるように待機する」という意味で使ったのなら、プラウド・ボーイズには次の行動に備えて準備をしておくことを求めることになる。今は動いてはいけないということでは一緒だが、その意味は大きく異なる。
私は、トランプ大統領の「スタンバイ」は「いつでも行動できるように待機する」のことだったのだろうと考えた。ロイターが7日にトップニュースで報道した記事では、不正投票を防ぐために、自発的に監視団を組織したいとトランプ陣営が考えている、という内容になっている。トランプ大統領はこの監視団にプラウド・ボーイズに参加するように求めているのだろう。
軽くでも武装したプラウド・ボーイズの面々が選挙に関連する施設の周辺にたむろするということになれば、これは選挙に関わる人、選挙を運営する人たちから実際に投票に行く有権者たちまで大きな心理的圧迫を与えることになる。以前のアメリカ、特に南部では、白人たちが非白人たちが投票に行かないように、投票に行けないように様々な手段を講じた。トランプ陣営の派遣する監視団はこれに近いものになる。(つづく)
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