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2020-10-16 00:00
(連載2)トランプ大統領の「スタンバイ」発言の真意はどこにあるか
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
そうなれば、このトランプ陣営派遣の監視団に対して、反対する組織やグループも周辺にたむろすることになるだろう。Antifaなどは出てくるだろう。そうなれば考えられるのは衝突であり、流血の惨事である。死亡者も出るほどの事件が全米各地で起きることが考えられる。それを防ぐために、各州知事(大統領選挙は各州知事が大きな権限を持っている)はアメリカ軍の出動を要請するようになる。
アメリカ合衆国憲法で認められている存在として「ミリシア(militia)」がある。これは民兵組織と訳されるが、アメリカ独立戦争(革命)で、住民たちが自分たちの銃を手にとって集まってイギリス軍と戦って独立を手にしたということが由来だ。アメリカの銃規制もこのミリシアの存在意義とも関連している。ミリシアは政府が圧政的に自分たちの生活や自由を侵害するなら抵抗し、その政府を倒すこともできる。ミリシアは今回の大統領選挙でもトランプ応援の面から日本でも報道されている。
おそらく、トランプ陣営派遣監視団にはミリシア集団も参加するだろう。そこに米軍がやってきて、自分たちの活動を阻害するような動きに出れば、急進的なミリシア集団は、「米軍が圧政的な政府の手先になっている」ということで衝突することも考えられる。これではもう内戦(civil war)状態である。
日本では南北戦争と習う出来事は、英語で言えば「Civil War」と書く。アメリカでただ一度、分裂(南北間での)の危機をはらんだ内戦、ということである。先ごろ、ミシガン州知事誘拐計画で逮捕されたミリシア集団は、「内戦を起こすこと」を目的にしていた。今回の選挙が全米各地で内戦状態を生み出すことになれば、「デモクラシーの総本山」アメリカの威信は地に墜ちる。(おわり)
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