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2020-10-19 00:00
政権移行期に思う、我が国の法治は実像か虚像か
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
日本は「法治国家」なのでしょうか。例えば日米関係。法律など無視した話はいくらでもあると思います。日米合同委員会など、「米国の言うことだから聞くしかないよね」という話ばかりでしょう。昭和52年(1977)9月のダッカ・ハイジャック事件は「人名は地球より重い」とか言って法律を曲げて、というより破ってやりました。先帝陛下の譲位にしても日本国憲法や現在の皇室典範にも反したことだったはずです。しかし結局は「天皇陛下がおっしゃるんだから、そうするしかないよね」ということでそうなってしまいました。私はある意味これは陛下の「クーデター」ではないかと思っています。
もちろんそんな話は日本だけではなく世界中に山ほどあります。皆が法律を守れるはずもなく、守っていたら逆に行政もやっていけないでしょう。「法治主義」という言葉は結局薄皮饅頭の皮のようなものではないでしょうか。皮は皮で必要ですが、一番大事なのはその中であるはずです。何しろ「法と証拠に基づいて厳正に」と言って拉致認定に抵抗する警察がDNAデータ偽装事件を起こして未だに認めていない。官邸は「飯倉公館事件」を起こす。薄皮は単に自らの立場を取り繕うためのものでしかないようにすら思えます。
「法治」というなら、まず優先されるべきは引き継がれてきた伝統であり自然法であり、常識でしょう。拉致問題で言えば「○○法の制約があってできない」ではなく、「国民が拉致されているのだから取り返すのが当然だよね」であるべきです。そしてそれにしたがって法律を作るのが国会の役目でしょう。
総理は先月末に飯塚代表ら家族連絡会の方々に面会されました。それは良いことですが、組閣直後に特定失踪者家族会と調査会で求めた特定失踪者家族の総理との面会については全く何の返事もありません。総理は安倍政権を引き継いでと言っておられますが、「なるほどそこら辺も引き継ぐのか」と皮肉のひと言も言いたくなります。幸か不幸か今月24日の国民大集会では私の発言の時間もなくなったので、これを一つの転機として、発想と行動の転換をするべきではないかと思っている次第です。
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