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2020-11-03 00:00
(連載2)「隠れトランプ支持者」と米世論の乖離
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
だから、専門家たちは前回の大どんでん返しで痛い目に遭ったので、バイデンが勝利確実とは言わない。「バイデン氏が有利だと思いますが、何が起きるか分かりませんのでねぇ」とお茶を濁す。本当に誠実な態度ならば、「私には判断できません、世論調査の数字も当てになりませんので、そうなると判断基準がないので」と答えるところだろうが、それではテレビに呼ばれないし、雑誌にも書かせてもらえない。
こうした混乱を引き起こしているのは、「隠れトランプ支持者(hidden Trump voters)」「恥ずかしがり屋のトランプ支持者(shy Trump voters)」という考えだ。これは、トランプ支持者たちは世論調査に対して素直に答えない、もしくは回答を拒否する、ということで、実態がつかめない、だから世論調査の数字も実態を反映していない、というものだ。これを何とかあぶりだそうとして、世論調査専門家たちは苦労している。それで生み出されたのが、「(皆さん自身ではなく)皆さんが関係している人たちは誰に投票すると思いますか?」「その結果として誰が勝つと思いますか?」という質問だ。
この質問の結果になると、トランプの数字が良くなる。回答者たちは「自分はバイデンに入れるよ、だけど、自分の周りの人たちはトランプに入れるだろう」という答えなのだろうし、もっと言えば、自分も本当はトランプ支持なのだが、「周りの人たち」の中に自分も入れて答えている可能性も高い。
今回の選挙結果と世論調査の結果の乖離を調査研究して、世論調査の実態や正確性についてより広範な議論が出ることを期待したい。信頼性の低い世論調査の数字は大きな迷惑なのだから。(おわり)
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