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2007-09-04 00:00
氏名表記のローマ字化には反対
苦瀬雅仁
大学教授
8月31日付の北田徹矢氏の投稿「公文書の氏名表記はローマ字で統一せよ」に反対です。漢字で表記された日本語のことばは、音のみで区別されるのではなく、文字の違いによっても区別されます。この基本的な事実を踏まえれば、安倍と阿部を同じものであると考えてよいはずはありません。例えば「キ」という同じ音だからといって、「木」でも「気」でも「期」でも「来」でも「着」でも「紀」でもみな同じだということにはならないでしょう。まして、個人を体現する名前において、どんな文字でも同じであるという扱いは、あまりにも名前に刻まれた文化や歴史や名前を持つ人の人格といったものを無視しすぎています。
強いて文字の統一について多少なりとも賛成しうる余地があるとすれば、本来同一の文字と考えられる文字の異体字(とりわけ、正字<旧字体の正しい文字の形>の字体でもなければ、常用漢字の字体でもない異体字)について統一の方向に向かうことは合理性がないとは言えないと思います。このことは実務上ゆるやかに進められています。しかし、この場合もその人の人格やその家族の歴史と一体ともいえる氏名の字体について、安易に統一を強制する方向に行われるべきものではありません。コンピュータの性能も格段に向上し、以前とは比較にならないほど多数の文字の処理が容易になっています。ローマ字統一は、そういった実用的な意味でも不要ですし、国語文化や各家族の歴史、各個人の人格を無視するようなものであり、私はこれに反対します。
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