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2021-02-04 00:00
(連載2)「海警法」で強まる尖閣のリスクに日本はどのように対抗すべきか
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
日本政府はロシア当局に対し、北方領土は日本固有の領土であるとの前提に立って「日本領海内で起こった銃撃・拿捕事件であり、到底容認できない」と抗議したが、ロシアが実効支配海域であるため、ロシアの国境侵犯密漁事件としての処理になんら有効な施策を打てずに泣き寝入りするような形で終わった。北方領土の領有権が争われているとはいえ、国際法上、実効支配しているロシアの行動には問題がない(つまり、もしもこれが領有権で争っていない領域である場合は、ロシアの適法な行動であったと評価されるということ)ため、この海域における銃撃は正当化されるからだ。
ひるがえって、しかし、尖閣諸島は日本が実効支配している日本の領土だ。そこで中国公船が武器を日本の領国内の法律に従わずに使用した場合は当然に違法であるし、極めて危険な挑発行為だといえる。このことを踏まえて、岸防衛大臣は、アメリカのオースティン国防長官から、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用範囲内であるという発言を引き出して中国を牽制している。
つまり、尖閣諸島において、明確な軍事的挑発の意図で武器を使用した場合、または中国公船が日本の海上保安庁の警察権に服さない場合は、武力攻撃事態と解釈しえよう。現在の中国が日本との正面切っての紛争をやるとは筆者は思わないが、一方でアメリカ、それもバイデン政権が、南西諸島での紛争が起きたとき、日本を守る意思があるのか、もっと言えば習近平と戦う意思があるのかということは、正直疑問である。
中国はアメリカを起こさずに日本を叩くギリギリの強度の紛争を模索しているし、米国もどこまでの強度なら介入しないで済むか研究しているからだ。では日本はどうすべきか。日本は対中国で自立して戦える戦力を整えていく覚悟をするべきだしそのためにアメリカの援助を確かに受けられるよう両国関係を強めていくべきではないだろうか。(おわり)
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