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2021-03-06 00:00
ゴルバチョフ氏、90歳の言葉
飯島 一孝
ジャーナリスト
ゴルバチョフ元ソ連大統領は3月2日、90歳の誕生日を迎え、タス通信のインタビューに答えた。その中で、プーチン政権に向け、旧ソ連諸国との関係修復を求めるとともに、バイデン米大統領に対し、ロシアとの関係正常化への期待を語った。政敵だったエリツィン元ロシア大統領とは同じ年生まれだが、すでに13年も長生きしている。
タス通信によると、ゴルバチョフ氏はまずロシアのプーチン政権に対し、EU(欧州共同体)との関係を強化し、現在不和になっている旧ソ連諸国との関係を修復するため全力を尽くすよう求めた。さらに、就任したばかりのバイデン米大統領に向け、ロシアとの関係正常化に努力するよう期待すると述べ、「それが米露双方の利益になると確信している」と強調した。
ゴルバチョフ氏は旧ソ連時代、レーガン米大統領と4度のサミットを通じて東西冷戦のデタント(緊張緩和)に貢献し、1990年度のノーベル平和賞を受賞している。大統領を退任後も、機会あるごとに世界平和を呼び掛け、東西対立の緩和を訴えている。大酒呑みのエリツィン氏と比べ、酒をほとんど飲まず、健康管理に重点をおき、長寿を全うしている。学生結婚した最愛の伴侶・ライサ夫人は1999年に病死している。享年67だった。
ロシアの平均寿命は、2016年の統計によると、男67歳、女77歳。男性の平均寿命が短く、女性との差が10歳もあるのが特徴で、男女差が世界一大きいとされている。ゴルバチョフ氏は現在、医療機関で生活しているというが、祖国・ロシアの行く末が心配でたまらないのだろう。
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