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2021-03-24 00:00
(連載1)立憲民主党は共産党と共闘すべきではない
加藤 成一
元弁護士
日本共産党は、「野党連合政権」の樹立を提唱し、立憲民主党に共闘を呼び掛けている。共産党が共闘を呼び掛ける目的は、「一致点」での共闘を通じて可及的且つ速やかに共産党主導の「民主連合政府」を実現するためである(改定党綱領四「民主主義革命と民主連合政府」、上田耕一郎著「先進国革命の理論」1973年大月書店)。
民主連合政府では、自衛隊の解消と日米安保条約の廃棄を行ない「平和・中立・非同盟」の道を進むとされる(改定党綱領四、不破哲三・井上ひさし共著「新日本共産党宣言」1999年光文社)。これは、米国の「核の傘」から離脱することになる上、旧日本社会党の非武装中立政策(石橋政嗣著「非武装中立論」2006年明石書店)に近く、日本の存立と日本国民の生命を危険に晒す極めて非現実的な政策である。
のみならず、日本共産党は、「民主連合政府」の次の段階として「社会主義・共産主義革命」を目指しており、そこでは、生産手段の社会化による重要産業の国有化(上田耕一郎著「前掲書」)と計画経済が行われ、社会主義を目指す権力すなわち「プロレタリアート独裁」(「共産党一党独裁」)が樹立される(改定党綱領五「社会主義・共産主義の社会をめざして」、不破哲三著「人民的議会主義」1970年新日本出版社、宮本顕治著「日本革命の展望」1968年新日本出版社)。
しかし、「プロレタリアート独裁」は、欧米先進諸国や日本などの、議会制民主主義、三権分立、法の支配、基本的人権、言論の自由などの「自由民主主義」の価値観と根本的に相容れない。また、旧ソ連では、生産手段の社会化による計画経済は、事実上、生産手段を所有する共産党官僚及び国家官僚であるノーメンクラツーラが、生産・流通・分配を全面的に支配し、その性質上、官僚的計画経済は技術革新に敵対的であったため経済が長期的に停滞した(S・ボスレンスキー著「ノーメンクラツーラ=ソビエトの赤い貴族」1981年中央公論社)。経済の長期的停滞はソ連崩壊の重要な要因であり、これは韓国と北朝鮮、旧西ドイツと旧東ドイツの著しい経済格差を見ても明らかである。(つづく)
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