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2021-03-25 00:00
(連載2)立憲民主党は共産党と共闘すべきではない
加藤 成一
元弁護士
立憲民主党に共闘を求める日本共産党の「統一戦線戦術」は、戦前コミンテルン(「国際共産党」)が提唱した革命戦術であり、革命のためには共産党以外の他の勢力を利用する社会主義革命の常套手段である。ロシア革命の「労農同盟」(レーニン著「民主主義革命における社会民主党の二つの戦術」レーニン全集9巻1955年大月書店)、中国革命の「国共合作」(毛沢東著「国共合作成立後の差し迫った任務」毛沢東選集2巻1966年新日本出版社)が有名である。
しかし、周知のとおり、レーニンは革命後農業の集団化を断行し、農民の土地を収奪して社会主義革命のための原始的資本蓄積を行なった。毛沢東は武力で蒋介石国民党政権を台湾に追放した。共産主義者にとっては、まさに「目的のためには手段を選ばない」のであり、「統一戦線戦術」は「手段」に過ぎない。
立憲民主党は、日本における「社会民主主義」政党として、日本国憲法の基本理念である議会制民主主義、言論の自由、基本的人権を尊重し、社会保障の充実、格差の是正、所得再配分などを主張している。外交防衛政策も自衛隊整備、日米同盟重視であり、共産党とは基本理念や基本政策が根本的に異なる。このように、共産党とは基本理念や基本政策が根本的に異なるにもかかわらず、安易に共産党の組織力に依存し、選挙のために共産党と共闘すれば、結果的に、共産党依存に陥り、前記レーニン及び毛沢東による歴史の教訓が繰り返される危険性がある。のみならず、日本国民の間では、現在も「共産党アレルギー」が根強く存在する。これは、戦後の「火炎瓶事件」に象徴される極左冒険主義的暴力革命路線(日本共産党中央委員会著「日本共産党の70年」上1994年新日本出版社)や、旧ソ連、中国、北朝鮮など、共産主義国家における、粛清、人権侵害、言論弾圧などの恐怖政治によるものである。したがって、今後も日本共産党と安易に選挙で共闘すれことは、立憲民主党にとっては明らかに逆効果である。
よって、立憲民主党は与党との差別化を図るにしても日本におけるスウェーデンなどの北欧型「福祉国家」の実現を目指すような共闘先を探るべきであって、理念の共有をし得ない共産党と打算的に野合することはあってはならない。(おわり)
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