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2021-04-08 00:00
(連載2)中東の不安定化に直結した米国のプレゼンス低下
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
それを踏まえると、中国人は、自分が儲かれば何でもよいということで、対立している両方の陣営に武器を売り、また情報を渡してしまうために、テロリスト(フーシ派やIS残党など)にも反攻の機会が出てくるようになり、同時に、商船の情報なども流れてしまうために、民間人の犠牲が増えることになると予想している。バイデンは慌ててシリアに空爆を行ったが、散発的な攻撃はかえって反発を買うだけであって、かえって中東の治安が悪化するだけである。そのうえ、空爆などなくとも中東は水面下で情勢がかなり混沌としている状況である。
元凶が中国とイランであることは明らかであるが、バイデンによる「口だけ外交」も拙さが拭えず、オバマの時の外交を彷彿とさせる。バイデン政権下の外交戦略は上手く行かないと予想する。
EU、中国、アメリカがEV車を推進しガソリン車を将来的に禁止することにした。日本も菅首相がそのような政策を打ち出している。これによって電池の資源である銅とコバルトの奪い合いが始まるだろう。中国はインド洋の支配を強め、インドネシアにマラッカ海峡の開放を強く迫っている。リチウムイオン電池の主要資源であるコバルトは、世界の産出量の80%以上をコンゴ共和国が算出しており、今後はその航路としてのインド洋の地政学的リスクが非常に大きくなるだろう。インド洋上の主要なチョークポイントに熱視線が注がれており、いずれはインド洋をめぐり戦争が起きておかしくないのではないか。その場合インドネシア・オーストラリア・インドなども積極的に行動を起こすだろう。
中国はアフリカ・インド洋にアクセスするルートを確保するために、ミャンマーに政治介入してきた。その影響でクーデターが発生したのだろう。また、新疆ウイグル自治区はパキスタンへのルートという重要性を持つため、漢族支配の徹底のために現地でジェノサイドが起きている。中国の資源独占は許してはならないが、どうすれば国際社会が対処していくことができるのか考えなければならない。インド洋の平和がすなわち資源の平和であることは間違いがないので、アメリカがそこから撤退して、プレゼンスを下げることは世界の平和がみだされることに直接的につながる。以上、まあこのようなさまざまな国際情勢のキーとなる情報の発信を日本のマスコミや野党に期待することは不可能なのであろうか。(おわり)
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