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2021-04-27 00:00
コロナ対策にもっとエビデンスを
船田 元
衆議院議員
コロナウイルスの猛威は第4波の様相がはっきりして来た。時に今回は変異ウイルスの影響が大きくなっており、政府は4都府県に3回目となる緊急事態宣言を4月25日から発出した。当該地域では飲食店の時短営業ばかりでなく、大規模施設の休業要請や無観客試合の要請など、大型連休中の人の流れを抑え込む、短期決戦の構えだ。
24日の日経新聞1面には「1年間何をしていたのか」という見出しが添えられた。コロナ禍が1年を経過した現在でも一進一退を続けている国の現状に対して、政府、自治体首長、医療界に対する強烈な批判である。日頃はマイルドな日経がこのような言葉を使うのは極めて異例である。そしてこの批判は我々国会議員にも向けられている。与党として政府に対してコロナ対策の改善を提言したり議論したりして、その効果を増さなければならないが、未だに効果を発揮できていないのは、与党議員として大いに反省しなければならない。
これまでの政府の発信を担って来たのはまず菅総理、関係閣僚、そしてウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長である。それぞれが言葉を選びつつ必死に国民に協力を訴えて来たが、なかなか国民の胸に響かないようだ。「ああしてくれ」「こうして欲しい」という要望はするのだが、何故そうしなければならないかという明確な理由と証拠(エビデンス)が詳らかになっていないからではないか。例えば栃木県を例にとると、2回目の緊急事態宣言の対象となった今年1月9日頃は、1日の新規感染者数が150人を超えていた。しかし期間中、県内の飲食店の99%が夜8時までの時短に応じた結果、ほぼ2週間で30人前後、1ヶ月で10人前後に抑えることが出来、いち早く宣言地域から外れることが出来た。人口195万人という地域だからコントロールが容易で、因果関係がはっきりしたのかも知れない。東京や大阪などの大都会ではなかなかはっきりしないのかも知れない。
しかし少なくとも、蔓延防止や緊急事態を適用し、飲食店の○○%が時短に応じたために、○○日間で新規感染者がこれだけ減ったという、ざっくりとしたエビデンスを示すことは可能である。「このエビデンスがあるのだから、コロナを押さえつけるために、再度時短をお願いする」と言えば、国民は協力し易くなるのではないか?政府の発信にもう一段の工夫を求めたい。
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