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2021-05-18 00:00
露有力紙が伝えた日本の国民投票法改正案
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアの有力紙コメルサントは、5月11日の電子版で、
日本の国民投票法改正案成立を「戦後の平和憲法改正に向けた決定的な動き」と警戒する記事
を掲載した。同紙はこの中で「インド太平洋地域での米国との軍事協力を活発化させる試み」と牽制している。
この記事には「日本憲法は再軍備に向かいつつある」という刺激的な見出しが付けられていて、中国や北朝鮮の脅威に対抗するため、憲法改正に向けて動き出したと論評している。国民投票法改正案は自民、立憲民主などの主要政党との合意によるもので、今国会中に成立する見通しだ。この記事の中で、第二次大戦で天皇国家・日本の敗戦後、初めて憲法改正に関する国民投票にゴーサインを出すものだと指摘。改正を指導するリーダーは、戦争の放棄、戦力及び交戦権を否認した憲法九条を「時代遅れ」とみなしており、今回の国民投票法改正案の成立により、外国への軍事作戦を行う権利を有する完璧な軍隊になると主張していると伝えている。
さらに、記事は九州で行われた日米仏の3国共同訓練を取り上げ、この中で岸信夫防衛大臣が「自由で開かれたインド太平洋地域で3国の協力関係を強化しなければならない」と述べたと伝えている。
この記事は、「今回の国民投票法改正案が成立すれば、1947年の現憲法改正のための法的基盤が形成されるだろう」と結論づけている。その結果、日本が今後、弾道ミサイルを含む攻撃兵器を有する軍事国家になるとの見方を暗示しているが、日本の現状から見てあまりにも性急な議論といえる。ロシア国民がこの記事で誤解しないよう、あえて指摘したい。
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