ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2021-07-02 00:00
(連載2)G7で明確になった中国への評価
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
特にバイデン大統領は親中姿勢を疑われてきた。南シナ海の環礁埋め立てをずっと放置していたオバマ大統領の時代の副大統領でもあった。そのために中国の人権状況や海洋進出を始めとした核心的な問題にどこまで踏み込むのかというのは未知数とされてきた。
しかし、今回の会合で、人権問題(ウイグル・内モンゴル・チベット・香港を含む)と、一帯一路、台湾問題が合意事項としてずらりと並び、中国を意識することにコンセンサスが取られた。そのうえで、「コロナウイルスの原因追及」ということも合意しているのである。
今回明確となったのは、「陰の主役」というか「悪役」が旧東西冷戦時代のソ連から現代の中国へと変わったということであろう。そのように考えた場合、「中国を軸にした冷戦関係」を踏まえた構想が求められるのであり、日本は地理的経済的に近い中国と旧西側諸国とどちらの陣営につくのかということや、近隣諸国の動向、特に韓国は中国寄りなのか否か。それを踏まえて周辺諸国との関係をどのように展望していくのかというようなことを改めて総ざらいで再定義する必要があるのではないか。
アメリカは、民主党を含め中国に対抗する政策に国論がまとまりつつある。そろそろ、「ソ連=ロシア脅威論」から「中国脅威論」そして「反共産主義」に移るのではないか。もちろん、バイデン大統領だけでなく、ハリス副大統領が何を考えているかなどによって物事が変わるが、少なくともホワイトハウスの親中極左の影響力は限定的と期待できる。もちろん民主党なので、共和党が主導権を握った前政権時代とは根本的に国政環境が異なることを忘れてはならないが、米欧の動きを捉えて日本がどのように今後の外交を考えてゆくのかということを、我々もしっかりと見てゆかなければならない。少なくとも旧冷戦の枠組みを当てはめるような国際情勢ではなくなった。「敵」、まあ、仮面ライダーで言う死神博士、宇宙戦艦ヤマトで言うガミラスのデスラーがあるが、まさにヒールでなおかつ敵対的な存在として、中国共産党が出てきた。その21世紀の冷戦の時代に、対応できる経済政策や外交政策を実施しなければ、これから先の時代に生き残れない。そのことを強く意識した「G7」であったのではないか。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム