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2021-07-08 00:00
プーチン露大統領、米国の1極世界は終わったと語る
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアのプーチン大統領は6月30日、恒例のテレビ番組「プーチンとの直通回線」に出演し、国民からの質問に直接答えた。この中で、「ロシアに対するいかなる制裁行為が取られようとも、我々を驚かせるようなことはない」と語り、米国による1極世界の終わりを強調した。
タス通信によると、プーチン大統領は世界情勢に言及し、「ロシアは全ての面で発展しており、経済の独立性が増加している。国防の可能性も高いレベルに達し、世界の多くの国を超えている。米国との関係でも、いくつかの面では米国を超えている」と、自信を示した。さらに、米国との核軍縮に向けた「戦略的安定性に関する対話」の開始で合意したことを背景に、「より良い世界の秩序を望んでいる」と述べた。
一方、ロシアが編入したウクライナ南部のクリミア沖で英国海軍の駆逐艦が6月23日、「ロシアの領海」に侵入したとしてロシア軍機が警告爆撃や射撃をした問題で、プーチン大統領は「英国側の挑発行為であり、米軍機を支援していた」などと批判した。さらに、ロシアとウクライナとの関係について「両国は同じ民族で、ウクライナ国民はロシアに友好的だ。だが、ウクライナ大統領は国民と違って非友好的だ」と述べ、ゼレンスキー大統領を暗に批判した。
米国など西側諸国は6月28日から7月10日まで、黒海でウクライナなど32カ国の兵士5000人と航空機40機、艦艇32隻による軍事訓練「シーブリーズ」を実施中だ。このため、プーチン大統領は国民が不安感を持たないよう、ロシア軍の優位性を強調するとともに、世界平和の継続を訴えたものと見られる。
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