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2021-09-25 00:00
「ウィズ・コロナ」政策の議論活発に
船田 元
衆議院議員
自民党総裁候補者それぞれが政策を出し合うが、多くは足元のコロナをどう抑えるかに留まる。コロナが収束する時期はまだ見通せない中で、「ウィズ・コロナ」の社会・経済生活をどのように構築していくかの議論が足りない。
政府の見解では、希望者全員にワクチン接種が行き渡るのは今年11月の早い段階という。欧米に比べて数ヶ月遅れて摂取が始まったが、ようやく肩を並べるところまできた。しかし2回接種しても感染する、いわゆる「ブレークスルー感染」が報告されている。個々人の体質や基礎疾患の状況により、十分な抗体量が形成されなかったのかも知れない。また接種後半年経つと、抗体量が大幅に減少するという研究報告もあり、まずは医療従事者を皮切りに3回目の接種、いわゆる「ブースター接種」を検討する時期になった。今回は遅れを取らないよう早め早めの準備が肝心だ。
また長引く緊急事態宣言により、飲食店などは危機的状況だ。彼らを守るためには、協力金や補助金はもちろん大切だが、第三者機関が認める感染防止の優良店舗には、営業時間の延長や酒類提供を認めても良いのではないか。地元栃木県では厳格な調査ののち「とちまる安全認証」を与えている。各自治体の判断に任せてはどうか。最近、公立中学校でこんなことがあった。合唱部や吹奏楽部の練習が規制された上に、全国コンクールに参加してはいけないと教育委員会が待ったをかけた。隣町の中学校からは参加可能なのに何故と、子どもたちは失望し、保護者からはクレームの嵐で、市議会でも取り上げられた。自治体ごとに感染者数や病床使用率などの差はあるとしても、あまりに理不尽である。一律の規制でなく、メリハリの効いた柔軟な感染対策を求めたい。
アメリカではワクチン接種の証明書か1週間以内の陰性証明を、勤務の際の条件にする動きがある。日本でも証明書を持った人には何らかのメリットを与えようという検討も始まった。人の活動や経済を正常に戻すためには、このような方法も大変重要だが、一方で個人情報の不当な扱いや差別意識が生まれる危険性もあり、十分な注意が必要だ。特に学校ではいじめにつながる可能性が高く、関係者の慎重な配慮が欠かせない。
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