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2021-10-07 00:00
日本への「歴史修正主義」的傾向に関する国際批判ついて
真田 幸光
大学教員
私は長年、ビジネス界で仕事をしていて、「表現の自由」の大切を実感している人間の一人です。しかし、その表現の自由には、「なんでも言っていい。」と言うことはなく、「義を持って、事実に基づく、表現をすること」「その表現が他者を傷つけるような暴力的なものであってはならぬこと」などといった原則の上で成り立っているものであると強く、認識しています。更には、「たとえ、客観的事実、お天道様から見ても事実であったとしても、言ってはならぬこと、所謂、タブー」と言ったものが存在していることも認識しており、この点に触れると、最近の表現を使えば、「炎上、間違いなし!!」といったことにもなりかねません。従って、表現の自由にある、こうした背後のものを意識しながら、発信していくことが大切であると考えています。
さて、こうした中、かつて、日本に於いて、「マルコポーロ事件」なるものが起こりました。このマルコポーロ事件は、1995年2月に日本の文芸春秋が発行していた雑誌である、『マルコポーロ』が、内科医であった西岡昌紀氏が寄稿したホロコーストを否定する内容の記事を掲載したことに対して、アメリカのユダヤ人団体サイモン・ウィーゼンタール・センターなどからの抗議を受けて同誌を自主廃刊したこと、そして、その当時の社長や編集長が辞任解任された事態を指します。そして、その時に、この事件に関連して言われたことが、「日本には歴史修正主義がある。」ということが盛んに国際社会から叩かれました。それから約四半世紀、今年の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開幕式前日に、大会組織委員会は、開閉会式の制作チームを事実上のトップとして束ねていた元お笑いコンビ、ラーメンズの演出家である小林賢太郎氏を解任しました。その理由は、過去に、「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)」をネタにしていたことがSNS上などで拡散され、ここでも上述のユダヤ人の人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターが猛烈に抗議声明を出し、米国マスコミ業界にも影響力が強い檀田でもあったことなどから、日本の大会組織委員会としては、小林氏の解任やむなしとなったようです。
こうした一連の流れの中、私が気にすることは、「世界が日本を歴史歪曲する国である。」と認識、そうしたレッテルを世界中が日本に対して貼ってくることであると思います。そうなってしまうと、韓国や中国本土が日本に対して指摘するところの、「日本の歴史的歪曲」に対する圧力が、国際社会では正当化され、日本が多大なるコスト、犠牲を払わなくてはならなくなってしまうものと思います。早期にこうしたレッテルを貼られぬような対応策が日本全体として必要であると考えています。
もう一点、私は、日本が、「極端な」歴史歪曲をしているとは考えていませんが、最近の、政財界、マスコミの発信を見ていると、「自らに都合の良い点は表現の自由を基にして発信してくるが、自らの都合の悪い者に関しては意図的に発信しない。」というような傾向があると認識しています。これは、上述の事態とは反対の、「表現をしないことによる歪曲」とも捉えられかねません。関係各位にはもう少し、国民、そして世界に対する情報の開示といったものをお願いできないかと考えています。
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