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2021-10-15 00:00
アメリカの産業政策肯定論を追いかける
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
日本政治研究から政治学全体に大きな貢献となったのは、チャルマーズ・ジョンソン(Chalmers Johnson、1931-2010年、79歳で没)著『通産省と日本の奇跡: 産業政策の発展1925-1975 (ポリティカル・サイエンス・クラシックス)』(TBSブリタニカ、1982年;勁草書房、2018年)だ。この本では日本の奇跡の経済成長(1960年代から1970年代にかけての高度経済成長)について、通産省(MITI、Ministry of International Trade and Industry)主導の「産業政策(Industrial Policy)」が実現したということを分析している。本書の官僚主導(Strong State Model)、産業政策という分析ツールは他の国々の分析にも適用可能なものとなり、大業績となった。
その後、1980年代の日米経済摩擦から「日本異質論(Revisionism)」の親玉のレッテル貼りがされたが、この動きは複雑なものだった。詳しくは拙著『アメリカ政治の秘密 日本人が知らない世界支配の構造』を読んで欲しいが、チャルマーズ・ジョンソンほど日本に詳しく、親日家であった人物を「日本を西洋とは違う国だと言って非難している」という方向に捻じ曲げた変な議論だった。これは簡単に言えば、産業政策潰しの言説でもあった。この時代に産業政策潰しの論稿を発表していたのが竹中平蔵だという事実も合わせて考えると、この時期から日本潰し、日本の窮乏化のための動きは始まっていたということになる。
産業政策を徹底的に研究して実地に応用して成功を収めたのが、中国ということになる。中国社会科学院の日本部では、戦後の日本の動きをバブル崩壊まで徹底的に研究し、分析し、実地に応用しているということを私は複数の専門家から聞いた。
更に、最近になって、アメリカでも産業政策が必要だ、産業政策は悪くないという疑問出てくるようになった。私はこの動きを追いかけていきたいと思う。今回の論稿はそのためのスタートということにしたい。
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