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2021-10-19 00:00
亡くなった認定拉致被害者・特定失踪者をどう考えるか
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
拉致問題に関する生方幸夫議員の発言については本人が謝罪・撤回しました。立憲民主党としては「選挙の直前によりによって…」という感じでしょう。しかし、あえて言いたいのですが、同じようなことを思っている議員は与党にも何人もいますし、そもそもいくら「生きている」と言ったところで取り返せてもいないなら責任は大差ありません。誘拐事件の被害者について、「生きている」と言っただけでは何の意味もない。これを機会に私たち自身の、取り返せていないことの罪にももっと真剣に向き合う必要があると思います。
そして、この際だから書きますが、石井一の与太話ではなく、本当に死んでいる人についてどうするのかにも、私たちは向き合う必要があります。寺越昭二さんと外雄さんはすでに亡くなっている可能性が高く、渡辺秀子さんについても日本国内で殺害されたという説はあります。私たちは3人について、本当に確認できない限りは生存を前提としてやっていきますが、それ以外の認定拉致被害者・特定失踪者でも亡くなった人は当然いるでしょう。政府認定拉致被害者だけ見ても久米裕さんは96歳、原敕晁さんは84歳です。曽我ひとみさんも帰国直後に肺がんが見つかり手術で摘出しました。もし19年前に日本に戻ることができなければすでに亡くなっていたかも知れません。
政府は「全員の生存を前提として」と言います。確かにそれは当然ですが、一方で亡くなった人、殺害された人についてどうするかを考えておくことも必要です。そうしなければ何人かが帰ってきて「これで全部だ」と言われて拉致問題は決着、などということになりかねません。不幸にして亡くなった人がいるなら、その責任を北朝鮮に取らせなければならないのは当然です。
生方議員についてはいずれにしても選挙の洗礼を受けることになります。一人の発言だけを攻撃して、自分が正義の味方であるかのように錯覚するのであれば、ポリコレと大差ありません。それより、それぞれの選挙区の候補者に、機会があれば拉致問題をどう認識しているのか、どうやって救出しようとしているのか問いかけた方が生産的です。それで「拉致被害者は生きています。でも今まで以上のことはできません」と言うなら、結局は生方議員と大同小異ではないでしょうか。残念ながらそういう候補者が大半だとは思いますが。
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