ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2021-10-22 00:00
自公連立と国交相ポストの10年
伊藤 洋
山梨大学名誉教授
「国交相 布教に役立つ ポストなの」(東京都 林明倫)(西木空人選:朝日川柳2021/10/05)実に素直な句である。言うまでもなく「布教に役立つ」かどうかと尋ねているのはこの役所の大臣が宗教政党公明党所属の議員であることで、この教団・創価学会の布教活動に役に立つので、かくも代々同党所属の議員の指定席のようになっているのか?と作者は「素朴に?」尋ねているのである。
そういえば第二次安倍政権が成立した2012年の12月以来10年この方、三人の首班によって指名され、もはや同党の事実上「特別指定席」となっているポスト。年間予算7兆円超、巨大官庁ゆえに「利権」という生臭い役所でもあって、事実ここを舞台とした数々の汚職や疑獄は日常であったようにさえ思われていた役所が、ここ十年「良い意味で」目立たぬ役所として存在しているのは事実である。
ただし、地域内に目を凝らしてみると、この10年、同党委員長の写真ポスターが張られる土建業者の数が増えたという印象を感じないわけではないが、さりとて司直の関心を招いたという「浮いた」話は少なくとも筆者の身の回りではまったく聞かない。この違いが奈辺にあるかは知らないが、かつてとはるかに印象が異なっていることは間違いない。
10年目の今年、岸田新首相は斎藤鉄夫公明党副代表を国土交通大臣に抜擢した。しかも、連立与党の間柄とはいえ初めて岸田総裁の金城湯池広島県選挙区へ転入してくるという御仁を大臣ポストまで用意するとは破格の扱いではないか。しかもこの連立政権の10年、自由民主党がその衆参両院において獲得座席議席半数割れを喫したことは一度も無い。かくなる上は、この川柳が提起した疑問「国交相 布教に役立つ ポストなの」が意外と「真相」をついた率直な疑問のように見えてくるから不思議である。
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム