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2021-11-11 00:00
(連載2)崖っぷちに立つ日本のDX
山崎 正晴
危機管理コンサルタント
では、政府の状況はどうか。国連の経済社会局(UNDESA)は20年7月10日、「世界電子政府ランキング」を発表。このランキングは、加盟193カ国を対象に、各国のオンラインサービスや人的資本、通信インフラの3分野の個別指標を基に「電子政府発展度指標(EGDI)」を算出し、その順位を2年ごとに公表している。ランキング上位は、①デンマーク②韓国③エストニア④フィンランド⑤オーストラリア⑥スウェーデン⑦英国⑧ニュージーランド⑨米国⑩オランダと続き、日本は前回18年の10位から4つ順位を下げて14位に後退した。ライバルの韓国は、10年から14年まで連続1位、16年と18年が3位、20年に再び2位と、常に上位にいる。
多くの企業経営者が、IT人材の不足とセキュリティーの不安をDXが進まない理由(口実)として挙げている。IT人材不足のユーザー企業は、システムの開発と運営を富士通、NEC、NTTデータなど、いわゆるITゼネコンに一括発注している。しかし、実際の作業を行うのは、ITゼネコンの下にいる2次、3次、4次と続く下請けで、その多くは中国にある。多重下請け構造の底辺に近づくほど中間マージンが抜かれて低賃金となり、その分、技術も忠誠心も高いものは期待できない。
米国では、多数のIT人材を抱えるクラウド提供会社のサービスが広く使われている。ユーザー企業はクラウドサービスを「直接」使うことで、低コストで効率良くDXを進めることができる。クラウドに100%完璧なセキュリティーはあり得ないが、企業独自のシステムで、アマゾンやグーグルが提供するクラウドサービスのセキュリティーに匹敵するレベルのものはまずないだろう。
世界がネットの時代になってから20年。5G(次世代通信規格)も来る。クラウドやAI(人工知能)技術の発展は目覚ましい。そのような整った環境の下、各国は国際競争にしのぎを削っている。国も企業も、もはや骨董品となった意識とシステムを、根本的につくり替えなければ、今に誰からも相手にされなくなる。日本はすでに崖っぷちに立たされている。まずはトップの意識改革、それが出来なければ交代だ。その上で、「いつまでに何を目指すか」という具体的達成目標の設定だ。DXは「目的」でなく「手段」なのだから。(おわり)
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