ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2021-12-27 00:00
自由主義は衰退しているのか
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
「自由主義は衰退しているのか」という問題は大きな問題であり、ここで簡単に答えが出るものではない。「もうダメだ」という人もいるし、「いやいや信じよう」という人もいる。パトリック・デニーンは自著『リベラリズムはなぜ失敗したのか』(2019年11月21日、原書房)の中で、「自由主義は衰退している」という考えを主張している。そして、これに対して、書評(”
Liberalism is the most successful idea of the past 400 years
” 2018年1月27日付)を掲載している『エコノミスト』誌はそうではない、と主張している。ドナルド・トランプが大統領選挙に当選して大統領を務めた期間、このような論争が数多く行われた。そもそも、自由主義や保守主義といった言葉の定義がとても難しい。
アメリカでは自由主義が衰退しているということを示すような事例が数多く起きている。そのために先行きに悲観的になっている人たちも多くいるようだ。アメリカでリベラルと言えば、現在では左派の進歩主義派を指す。これに対して、嫌悪感を示す保守主義派もいる。
しかし、問題は、アメリカ国民の人権や自由が脅かされているという現実だ。手前味噌で申し訳ないが、『ビッグテック5社を解体せよ』(ジョシュ・ホウリー著、古村治彦訳、徳間書店)の中で、アメリカ連邦上院議員であるジョシュ・ホウリーは、なぜビッグテック(フェイスブック、ツイッター、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、ネットフリックスなど)と戦うのか、ということについて、アメリカが共和国であり続けることを守り、人々の自由と権利を擁護するためだとしている。私たちが便利に使っている道具が私たちの自由や権利を侵害しているのが現状だ。そのために、アメリカの共和制と民主政治体制が脅かされているのである。
大きな流れとして、「自由主義が衰退している」ということは、生活の実感としてある。そして、そのことを私たちは警戒感を持って受け入れねばならない。
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム