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2022-01-06 00:00
(連載1)「新しい資本主義」の新型コロナ対策は費用対効果ぬきの聖域か
篠田 英朗
東京外国語大学大学院教授
オミクロン株の「津波」が押し寄せ始めているが、「予報」通りだ。諸国の取り組みから情報を得ている。広い視野を持った合理的な政策の実施を望む。「コロナ死者数を1人減少させるためにどの程度の経済的犠牲を払いたいか」を試算すると、日本は約20億円、米国は約1億円、英国の約0.5億円だという(『賢い支出へPDCA回せ コロナ対策で見えた欠落』2022年1月3日付、日本経済新聞)。各国がいずれも従来の資本主義の論理だけでは説明できない対応をしているとはいえ、日本の「新しい資本主義」ぶりは際立っている。
なにやら日本では、新型コロナ対策は、高齢者と肥満者を保護するため、費用対効果の検証を抜きに予算を投入してよい聖域となっているようだ。果たして本当にこれでいいのか。高齢者や肥満者は、将来世代への感謝を表すとともに、責任負担の在り方について考え直す機会を得たいとは思わないのか。
総理大臣が新しくなったからといって、短期決戦を繰り返すような政策だけになっていないか、日本の新型コロナ対策に持続可能性があるのか、政策担当者は責任ある視点で考えていってほしい。
たとえば水際対策だ(『国際空港の検疫所は派遣社員だらけ…現場から伝わる「異変」の深層』2021年12月31日付、FRIDAY DIGITAL)。複数の派遣会社への外注で積み重ねられた重厚な人員体制で、成田空港から福岡に送り込むほどの広範さでホテルを借り上げて食事を提供して何日もの隔離を施す政策が無期限で進行中だ。だが、そこにいったいどれくらいの予算が投入されるのか、どこかで議論されているというニュースを見ない(『コロナ補助金、7医療法人を誤って採択 経産省がパソナに実務を委託』2021年11月4日付、朝日新聞)。(つづく)
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