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2022-01-22 00:00
国破れて77年、いまだ変わらぬ上下関係
伊藤 洋
山梨大学名誉教授
日本政府は、昨年初冬から年末にかけて、実にめずらしく外国人の入国禁止の「水際対策」を手際よく行った。欧米各国でコロナウィルスの新型=「オミクロン(ο)株」が発生したと聞くや空港を閉鎖し、鎖国政策を採った。これが好感されて岸田内閣の支持率が一時急上昇したくらいであった。しかし、その成果もあっという間に水泡に帰した。その原因は全国に先駆けけて大流行が始まった沖縄県にあった。
海外からの渡航客を締め出した鎖国政策は、一方で「天下御免」と日本政府の管理下に無い特権を付与された「アメリカ軍人」という特恵人士がいたことに政権が気が付いていなかった?ためである。「沖縄県で最大の嘉手納基地には、旅客機も離発着している。米兵やその家族を運ぶためだ。基地に直接降りたってしまえば、日本の空港検疫の対象とならない。日米地位協定によって、旅券やビザに関する国内法の適用が除外される。だから、日本政府がオミクロン株対策として、全ての外国人の新規入国停止など水際対策を強化したところで意味はない」(2022/01/07Yahoo)。
同じ無政府状態は国内各地の米軍基地すべてに適用されている。上のニュースで、山口県や広島県でオミクロン株が蔓延しているのもその例である。さすがに原爆を落とした広島に米軍基地は無いが、広島市は岩国に近く県境はウイルスにとって何の障壁にもならない。地方紙=山梨日日新聞は、「Fujiと沖縄/本土復帰50年」と題した特集を一面連載している。その中、第一部は「米軍がいた11年」として、北富士演習場が米軍管轄下にあった期間、地元では米軍兵士に暴力・殺人・剥奪などさまざまな不条理があったことを報告している。筆者の少年時代の記憶としても悔しさとともに残っていて、連日の記事に今更のように地団駄踏んで悔しがっているのでもある。
そして、いま、オミクロンウィルス株を平気で蔓延させている在日米兵たちの無礼について、あの時代の記憶と直接に結びついて、一年を寿ぐべき正月から耐え難い不快感を感じる、今日この頃なのである。
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