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2022-02-01 00:00
(連載2)ウクライナ情勢、日本に何ができるか
松川 るい
参議院議員
大国の間には緩衝地帯があった方が関係が安定するという観点からいえば、ロシアの主張は理解できないわけでもありません。「厳しく」対立する国益を持つ国や国家群の間では「勢力圏」の境界につきどこかで折り合いをつける必要があるものです。
しかし、ウクライナからすれば、自国安全保障について一国ではロシアと対抗できるはずもなく、NATO加盟したいと望むのもわかります。他方、実際問題としては、NATO諸国からすれば、加盟を認めれば直ちにロシアとことを構えなければならなくなるウクライナの加盟については前向きにはなれないところでしょう。
鍵は、ロシアの懸念とウクライナの安全保障についてどう折り合いをつけるかということであり、それがミンスク合意だったのですが、これも破綻してしまいました。台湾は、「一つの中国」について、米国が否定をしないという曖昧戦術でこれまで乗り切ってきました。台湾の意思に反した中国の台湾奪取は決して容認しない、そのために台湾に対する軍事支援も行う、しかし、同時に台湾の「独立」も積極的に認めないということです。ウクライナについても、ウクライナの安全保障(ロシアから突然侵攻されないことの担保)とロシアの懸念(ウクライナがNATO加盟はしないこと)とのどこかに均衡点を見つけない限り、ロシアが軍事侵攻を思いとどまることは難しい。お互いの主張の原則に傷をつけない形で、米ロ協議で上手く折り合いを見つけられるかどうか。
欧州情勢は、日本にとっては、おそらく、欧州諸国が東アジア情勢について感じるのと同様の距離があるものではありますが、上記のとおり、米国のリーダーシップに直結するものです。それでは日本に何ができるかと言われれば、ウクライナ情勢そのものについて日本ができることはほぼありません。日本ができること、すべきことは、自身の防衛力強化と外交です。自身で自国の領土を守る気概と能力を持つ。同盟国たる米国をインド太平洋地域において補完する役割を果たすこと、但し、対米追従ではなく、例えば東南アジア諸国から得ている日本自身の信頼感を生かした外交を活用すること、そうしたことに一層注力すべきだと考えます。(おわり)
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