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2022-02-01 00:00
米国、ロシアの要求を拒否、軍事侵攻は避けられるのか
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアがウクライナへ侵攻するかどうかが世界的な関心の的になっている中、米国は1月26日、ロシア側が求める「NATO(北大西洋条約機構)を拡大しない」との確約要請を正式に拒否した。ブリンケン米国務長官が会見で明らかにしたもので、これにより、米露の対立が抜き差しならない状態になりつつある。
ロシア側はウクライナ国境周辺に10万人規模の軍隊を派遣して米国や欧州諸国に対し、NATOへの新規加盟を認めないよう確約を迫っている。だが、米国が正式に拒否を回答し、他の加盟諸国もこれに同調するものと見られ、ロシア側が昨年来、続けて来た軍事的圧力も効果ないことになる。さらに、バイデン米大統領は25日、記者団に対し、ウクライナ侵攻が実際に起きた場合、プーチン大統領個人への制裁も辞さない考えを示している。こうなると、プーチン大統領も簡単には引き下がれない状況に追い込まれている。ブリンケン国務長官は近く、ラブロフ露外相と会談する予定で、その際、ロシア側がどういう対応をするかが注目される。
ロシアが昨年からウクライナ国境に大量の軍隊を派遣してウクライナ側に圧力をかけている真の狙いは、NATO加盟阻止というより、旧ソ連の「勢力圏」に配備している米軍基地の撤収、ウクライナへの軍事援助停止など、ロシアに向けた西側の軍事力削減要求との見方が強い。ロシア自身、ウクライナへの軍事侵攻が簡単にできるとは思っていないに違いない。それどころか、プーチン大統領はコロナ対策や経済の悪化で支持率低下に悩んでおり、自国民の目を外に向けさせる狙いがあるとの見方も出ている。
一方、米国などNATO諸国もウクライナの加盟がすぐできるとは思っておらず、むしろウクライナはロシアと西側のバッファゾーン(緩衝地帯)にすべきとの考え方も出ている。今後、ロシアと西側諸国の双方が本音で話し合い、知恵を出し合って、なんとか平和的に解決する方法を模索し続けて欲しい。メディアの中には、今にもロシア軍が侵攻するかのように前がかりになっているところがあるが、もっと冷静に考えるべきではないだろうか。
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