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2022-02-11 00:00
(連載2)北京五輪開幕、中ロ連携新段階へ
松川 るい
参議院議員
今まで、中ロの「連携」というのは、「便宜的結婚」と言われてきた。今回のウクライナと台湾についての立場の相互支持もむろん、利害が一致するからやっているのだが、「便宜的」では片づけられない深い連携の理由を確認しあったのではないかと私は懸念している。それは、米国主導の自由民主主義秩序を変えることについての合意である。米国の世界覇権を弱体化させ、中国やロシアのような権威主義的な国がそれぞれの領域(シマ)でそれぞれ独自の文化や伝統に基づく統治を堂々と行う世界を作るということである。米国の1極支配ではなく多極世界を志向する。(もしかしたら、中国は中国の1国覇権を夢見ているかもしれないが)。内政干渉もなし。
その際、自分が「領土」として良い地域は現在の「欧米主導によって勝手に作り出された国境線」ではなく、「本来あるべき領域」まで力によって拡張することも許されるという世界観だ。大まかにいって、それは民族的な繋がりと地政学的に安心安全を感じられるかという観点と歴史的な帰属状態によると考える。
民主主義は問題外として、人権や自由の許容度は国家により異なるものとの根本思想がある。個人より集団、国家(統治)が優先されるべきとの前提が共通している。中ロからすれば、欧米が標榜してきた「民主主義」や「人権」などドグマの最たるものなのだ。中ロからすれば、台湾は当然中国に帰属させるべきであり、ウクライナはロシア領とまでいわずともNATO加盟は絶対阻止しなければならない。
ロシアは実は軍事大国であってももはや「帝国」の資格はない。経済規模はイタリアや韓国と同等であり、人口は日本に毛が生えた程度である。ただ領土は世界最大であり、軍事力を使うことを厭わない。中国は、近々世界最大の経済大国となり、人口も世界最大、領土は世界第2位、軍事力も太平洋では米国を凌駕する勢いであり、技術力も米国に急速に追いつこうとしており一部では追い抜いている。中国は十分に現在の米国の地位を狙う「資格」(村上春樹風)があるのだ。その中国とロシアが組むことは日本にとっては悪夢だ(米国にとっても)。(おわり)
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