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2007-10-08 00:00
舛添厚労相の言動を追求する
大藏雄之助
評論家
以前に法治国のあり方として舛添要一厚労相の行政指導には疑念があることを書いたが、今回はこのポピュリスト政治家が閣僚として不適任であることをさらに厳しく追及したい。新聞の伝えるところによれば、彼は社保庁の年金保険料横領を理由に保険事務所での保険料窓口徴収を廃止するとして、「銀行は信用できるが、社保庁は信用ならない。市町村はもっと信用ならない。ここまで公が信用ならなくなり、民の方が信用あるのは何たることか。現実がそうなら信用のある方を使う方がいい」と言ったという。
公務員全般に対する何たる侮辱、何たる無理解であろうか。郵便局でも銀行でも窓口の不正はしばしばあった。それは常に預貯金者に通帳記入だけでごまかせることのできる場合であって、現金と伝票が複数のルートで流れるときには起こっていない。行政機関の長として直ちに指示すべきは、窓口の受領者が現金をそのままポケットに入れることができないようにシステムを改善することである。
窓口納入が1.7%に過ぎないから現金の取り扱いをやめるというのは事務合理化の一環であるが、それも、かねてから民主党が主張し、現在自民党の中にも容認論のある、基礎年金全額税負担にすれば、自ずと解消する問題である。そのためには3%以上の消費税引き上げが必要であろう。しかし、老齢の未納者に年金が支給されない時に、結局は生活保護等で公共の支出が強いられることを考えれば、税負担はかえって簡素かつ公平である。
先のような暴言に対してジャーナリズムは社会の木鐸の役割をまったく果たしていない。往年の官公労はどこへ行ったのか。「公務員は信用できない」と言うが、それでも不正に荷担しているのは数%にも達しないであろう。しかし、政治家はほとんど全員が毎日政治資金報告書の修正に追われている。舛添式に言えば、政治家にこそ総退陣してもらって、官僚に統制してもらう方がましだ。
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