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2022-03-04 00:00
(連載1)ウクライナ戦争に伴う民主主義の「全般的危機」
葛飾 西山
元教員・フリーライター
連日の猛攻を受け、ウクライナの南部の都市ヘルソンが陥落との情報だ出始めている。攻撃に際してはロシア軍は社会インフラへの攻撃も本格化しており、軍民見境なく抵抗する者は殺戮する構えの模様だ。民間施設やマンションにミサイルが着弾する映像を目にすると絶望感にさいなまれる。CNN情報では武装勢力が新たな市政府を立ち上げる模様である。
プーチンが主張するウクライナの非武装化・中立化とは、あくまで現ゼレンスキー政権から新政権へのすげ替え、武装解除、治安維持のためのロシア軍の駐留による非武装化、ロシアによる管理下での中立化で、実態はウクライナそのものの「基地化」でしかない。基地である以上、戦後経営などは考える必要はなく、街のインフラの徹底的破壊や民間人の殺戮は単なる手段でしかない。こうしてプーチンはNATO非加盟国の「ロシアの基地化」を目論んでいるのだろう。
ベラルーシも実態は既に「ロシアの基地」となっている。ルカシェンコはロシア軍の駐留と、憲法改正によるロシア核兵器配備の容認と引き換えに、不正な大統領選挙で得た自己の独裁政権の延命を選んだのだろう。用が済めばロシア軍が撤兵するはずもなく、紛れもない「基地化」だ。ベラルーシはルカシェンコが民主化を要求する国民を弾圧するであろうから、温存されるであろうが、ウクライナについては凄惨な仕打ちが待ち構えていると思われる。
ウクライナの占領地を「解放」という美名で制圧して基地化しても、反ロシア感情が渦巻く国民を放置するはずもなかろう。そのため徹底した統制・監視社会を構築し、国民浄化を推し進めるだろう。新政府の要請を受けて軍管理地域を拡大したり、それに伴う強制移住も行うだろう。またスターリンがそうしたように、ロシア人の入植を政策として行い、ウクライナでのロシア人の比率を高め、国外居留民の保護を理由にウクライナを完全な管理下に置くだろう。そこまで行けば「平和的に」ロシアへの編入も可能になろう。今のプーチンなら見せしめとして逆らった民族国家の歴史上からの抹消もいとわないだろう。(つづく)
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