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2022-03-15 00:00
非道な力の信奉者にどう対抗するか
角田 英明
鐘紡株式会社元社員、日本国際政治学会会員
プーチン大統領は、独善的で歪んだ歴史観に基づく野望を抱く、迷妄に取り憑かれた極悪非道な力の信奉者に成り果ててしまった。プーチンには、もはや外交、国際政治における合理的思考が通用しないことは言うまでもなく、また仮にプーチンの違法行為につき国際司法裁判所、国際刑事裁判所の判決を得られたにしても、中国同様に歯牙にもかけないことは火を見るより明らかである。力の信奉者に通用するのは金融及び経済面における徹底的な制裁と完全な軍事的敗退という力の行使だけである。
だた、このような方法では、プーチンの意志を挫くのに時間を要する。故に、極悪非道の”ならず者”を制するには、ならず者の手法、すなわち、ある種の良識、常識を越えた措置、つまり、テロリズムの応報として米国に報復されたビン・ラディンの例の比ではない措置が必要だ、という発想は恐らくそれが可能な能力を持つ国などでは実際に検討されているに違いない。プーチンに対してはそれなりの措置が国際正義及び人道上許容されるのではないか。当のプーチンもその可能性を考慮しているのであろう。暗殺を恐れ、側近に対しても警戒を怠らないという。なんの咎のないウクライナ国民多数が日々死傷する大惨事を目の当たりにしながら、国際社会が成果に時間がかかる制裁と武器及び物資の援助のみで対応する様は、このような事態に本来機能すべき国連が無力であるという現実を我々に突きつけるとともに、心ある世界中の全て人々を悲嘆の境地に陥らせている。
それにしても、残念なことはバイデン大統領の「米国はウクライナへ派兵しない」との昨年来の発言である。それがプーチンの最大懸念事項である米国の軍事介入の懸念を除去し、侵攻の決断の大きな契機となったことは明白だ。その「同盟関係にない」という主張は逐一挙げるまでもなく、これまで何度も同盟関係のない国の紛争に米国が派兵してきた過去を振り返れば理由になっていないといえる。ロシアとの大戦争を忌避したいというのが本音であろうが、これは正にプーチン大統領を賭けに勝たせたということである。
要するに、現時点では正直者の常識人で無策のバイデン大統領は「ブラフ」もできずプーチンに手玉にとられているようにしか見えない。その結果、無辜のウクライナの人々がとんでもない惨事に直面させられているのは、誠に同情すべき状況である。これは、他人事ではない。我が国も物資援助にとどまらず、三木、福田政権の例に習い「人命は地球より尊い」とし、「超法規的措置」を決断し、武器援助をも実行し、ウクライナに軍事的に協力すべきではないか。友好国は日本のそのような行動をしっかりと観察し評価するであろう。
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