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2022-03-16 00:00
(連載2)プーチンに対峙するにあたって
松川 るい
参議院議員
まさかウクライナ侵攻はしないだろう、という予想は外れた。ウクライナのNATO加盟を当面阻止するために軍事侵略は必要なかったが2月24日にあっさり国境を越えて侵攻した(すでに国境を取り囲んだ時点でNATO加盟の見込みはなかった。加入させた途端にロシアと紛争になる国をほいほい入れるほどNATOはお人よしではない)。まさかキエフまで侵略しないだろう、という予想も外れた。東部州の「独立維持」のためなら、キエフや他都市まで侵攻する必要はなかったが、実際にいまウクライナの首都を地上軍で包囲し無差別攻撃を行っている。これまでのプーチンの行動を見れば、核の使用を匂わせるような発言をしたが、「まさかさすがに核は使わないだろう」という我々の予想が外れる可能性がないとはいえない。核だけは絶対に使わせてはいけない。甚大な被害の上、核抑止体制が壊れかねない。どうやってプーチンを止めたらいいのだろうか。
プーチンの異常さが際立つだけに、最近、「中国の習近平国家主席の方がまだましではないか。」(Financial times)という論調が出てきたことには警戒を要する。米国にとってあくまでも主たる戦略的競争相手は中国のはずだ。それに毛沢東を目指している習近平国家主席の方がプーチンよりましかどうか誰がわかるだろう。とはいえ、この際、プーチンを止めるためなら中国でもなんでも一肌脱いでもらいたい。
3.我々がすべきことと気を付けること
(1)国連の特別総会は急な開催であったにも関わらず193加盟国のうち141か国が対ロ非難決議に賛成した。ウクライナ大使のスピーチは、ロシア国民さえ揺さぶっただろう。ロシアという国家が変わるときは常に内側からである。プーチン大統領は2024年に大統領選挙を控えている。ロシア国内で反戦気分が高まり支持を失うリスクはプーチン大統領が戦争を早く終わらせようとするインセンティブとして最も有効かもしれない。そのためには、国際社会が一致団結して最大限の経済制裁や政治的圧力をかけること、ロシア国内の反戦の声を大きくすることが必要だ。目を凝らして情勢の推移を見ている習近平国家主席に対し、「台湾に手を出せば非常に痛い目を見るだろう」と想像させるぐらい厳しくなければならない。
(2)他方において、プーチン大統領を追い詰めすぎれば、核使用にまで至ってしまうおそれもある。(もっとも、そのような挙にでるのが明らかであれば側近が暗殺したりするかもしれないが。)"Democracy fights in anger"式で行くと、ロシアに全てを失わせるまで、つまり、ドネツク、ルガンスク、クリミアからもロシア軍を追い出すまでベトナム戦争のように長期化する戦争をウクライナが遂行し、それを西側が助ける、その過程で問題の元凶であるプーチン氏自身を排除するまで戦うという思考になりそうだ。しかし、軍事力ではロシアの方がウクライナよりずっと強い。その場合は、ロシアの核使用がありうることも踏まえ、ウクライナ国土は復興が困難なほどに荒廃するかもしれない。無論ロシアにも甚大な被害が出るだろう。また、余りに長期化しすぎると介入する国が出てくる。そうすると本当に世界大戦になってしまう。まず停戦合意、同時にできるだけ早く、外交的解決を見つけることが重要だ。(つづく)
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