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2022-04-20 00:00
(連載2)動き出した衆院憲法審査会
船田 元
衆議院議員
次に考えられるのは、緊急事態に迅速に対応するため、政府が国会の承認を得ることなく、法律に代わる緊急政令や緊急予算を発出することだが、これについては各国憲法の緊急事態のうち、わずか7%しかない。その理由はおそらく、どのような事態であっても国会がきちんと機能している限りは、緊急政令の必要はなくなるからではないか。
最後は私権制限規定である。これが各国憲法のうち一番多く60%を超えるという。平時においては「公共の福祉」により個々人の権利の調整を行うことは可能だが、有事の時は一定の私権制限がないと権利のコントロールができなくなる。もちろん私権制限の際は必ず補償を伴うことは言うまでもない。たしかに災害救助法や武力攻撃事態法、国民保護法など個別の法律には、それぞれ一定の私権制限が記されているが、基本的な姿勢を憲法で明記しておくことで、安定的な運用が期待される。また私権制限を政府が恣意的に行ったり、濫用したりすることが防げる。
なお私は、緊急事態の時でも制限してはいけない権利を、あらかじめ決めておくことが必要ではないかと思う。例えば思想・信条の自由、表現の自由、良心の自由など、緊急時には壊れやすい権利であり、民主主義を維持するためには不可欠の権利であるからだ。
自民党の憲法改正4項目の案では、これら3項目を盛り込んだ緊急事態条項を提案して来たが、今後の与野党間の話し合いによっては、緊急政令は外すなど柔軟に対応すべきである。またそれを通じて幅広い合意を目指すべきである。拙速はいけないが倦んでもいけない。着実に議論を積み上げながら、改正に向けての歩みを目指していきたい。(おわり)
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