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2022-04-22 00:00
(連載2)日本共産党は「自衛隊活用」の具体策を示せ
加藤 成一
外交評論家(元弁護士)
共産党は、この必要不可欠な「防衛力」をどのように維持整備するのか。又は、逆に縮小解消するのか。共産党が今現在考える陸・海・空の「防衛力」の規模はどれぐらいなのか。自衛隊員の数はどれぐらいなのか。イージス艦・護衛艦・潜水艦・戦闘機・戦車・地対空ミサイル・巡航ミサイル・無人偵察攻撃機などは維持整備するのか縮小廃止するのか。ミサイル防衛システム・レーダー・偵察衛星・宇宙・サイバー・電磁波・電子兵器開発などを維持整備するのか縮小廃止するのか。志願制なのか徴兵制なのか。防衛費はどれぐらいを考えているのか。仮に、これらの通常兵器を維持整備せずに縮小廃止した場合は、いつ起こるかもしれない急迫不正の主権侵害に対して、国を守る自衛戦争を戦えるのか。
また、共産党は日米同盟をどうするのか。仮に、破棄した場合に、日米同盟なしで上記の相手国による急迫不正の侵略に対して、日本単独で国を守る自衛戦争を戦えるのか。さらに、日米同盟を破棄した場合、中国・北朝鮮・ロシアのような相手国が核保有国の場合でも、「非核三原則」を守り核兵器を保有しない日本が通常兵器だけで、日本単独で国を守る自衛戦争を戦えるのか。核保有国から「核恫喝」を受けた場合はどうするのか。以上のような最悪の事態を想定した様々な構想も計画も準備もなく、ただ単に「自衛隊活用」だけを唱えるのであれば、極めて無責任であろう。
そのうえ、他国からの急迫不正の主権侵害をあらかじめ抑止することこそ極めて重要であるが、共産党はそのための「抑止力」をどのように考えているのか。抑止力もなく、ただ単に憲法9条による「平和外交」を唱えるだけでは日本国民の多くは不安を覚えるであろう。今回のウクライナ危機を見ても外交は決して万能ではないからである。十分な抑止力がなければ、前記の通り、ウクライナと安全保障上の共通点が多い日本はまさにウクライナ危機の二の舞になりかねないであろう(e-論壇「百花斉放」2022年3月18日付拙稿「ウクライナ侵略の教訓・抑止力なき国は侵略される」参照)。
このように、日本共産党は、「自衛隊活用」を主張する以上は、将来他国からの急迫不正の主権侵害があり得ることを認めており、また「自衛隊活用」が従来の党方針からの変更ではないとしている以上、具体策や青写真を当然すぐにでも示せるはずである。上記に述べた様々な点について、国民が安心し納得できる「急迫不正の侵害から国民の命と日本の主権を守るための具体策」を早急に示すべきであり、それができないのであれば日本の国政政党として責任ある態度とはいえない。(おわり)
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