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2022-06-07 00:00
(連載1)ロシアの大誤算と待ち受ける苦境
赤峰 和彦
自営業
世界中を震撼させたロシアのウクライナ侵略から3か月が経過しました。一週間程度でウクライナを制圧できると思っていたロシアにとってはまさかの展開になっています。ロシアはウクライナの予想外の反撃で地上戦力の三分の一を喪失した上、NATO諸国の団結を促進させたばかりか、中立国であったノルウェー、スウェーデン両国のNATO加盟を促進してしまいました。プーチン氏にとっては、超大国としての威信を根底から揺るがす大失敗の侵略戦争になったと言えます。
第一に国際的信用は地に落ちました。ロシアは国際社会からは嘘つき国家、約束を守らない国家に認定されてしまいました。海外の企業が続々と引き上げているのはその証拠です。ロシアでの営業を続けることに最後まで拘泥してたユニクロも結局ロシア事業を一時停止しました(撤退はしていません)。輸出も、代金受け取りもできず商業的ダメージを受けただけでなく企業イメージを著しく低下させてしまったユニクロは、ロシアが直面する信用失墜を甘く見ていたのでしょう。また、ロシアの侵略は、日本国内の「紛争は話し合いで解決する」と主張する左派を周章狼狽させました。しかも、日本国憲法の「諸国民の公正と信義に信頼する」という消極的平和主義の幻想を破綻させたため、ロシアの暴挙に一番憤っているのは日本共産党などの護憲論者という不思議な現象までも生みました。
さて、第二に、莫大な戦費は、経済制裁がなかったとしても、国家財政を危険な状態に陥らせています。ロシアはエネルギー資源の輸出で補える算段をしていたようですが、『ロシア情勢にみる報道のあり方』(e-論壇「百花斉放」2022年5月21日)でお伝えしたように、石油資本の撤退により採掘が不可能になる事態が予測され、ロシアにとっての唯一の資金源が断たれる可能性があります。その上、半導体や工業部品等も禁輸されているため、ロシア国内企業の生産活動も厳しくなりそうです。
第三に、ロシア軍は、見かけは重厚でも意外と脆く、戦略面でも遅れていることが軍事の専門家から指摘されています。ウクライナ軍の必死の抵抗はあったとはいえ、装備に勝るロシア軍が首都キーウを落とせなかったことと、先日の黒海艦隊旗艦「モスクワ」の沈没したことは、ロシア軍の実力を疑わせる出来事でした。これに、ロシアの武器体系を受け入れている国々は衝撃を受けています。地対艦ミサイルで大型艦が沈められたいま、中国は台湾侵攻に二の足を踏まざるをえなくなりました。(つづく)
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