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2022-08-03 00:00
(連載1)安倍元総理の国葬と国民の選択
松川 るい
参議院議員
安倍元総理の国葬が決まりました。岸田総理のリーダーシップだと思いますし、素晴らしいご決断だと思います。私は、安倍元総理は、日本の憲政史上今までにいなかった真の意味での国際的リーダーであり、希代の戦略家であり外交官であられたと思います。これほど多くの国民(多分意見を必ずしも同じくしない方々も含め)に惜しまれ、これほど多くの外国首脳要人達から惜しまれた日本の総理はいません。国葬は順当だと思います。ですから、国葬について異論があること自体残念だと思います。が、同時に、国葬の是非について議論ができる日本は自由な民主主義国だと改めて思うところでもあります。
私は、ご葬儀がどうあるべきかどうかについては、国民の皆様がどのように感じるかが一番重要だと思います。「葬儀」というのは、カタルシスです。亡くなられた安倍元総理は既に天のどこかにおられます。残された我々が、どのようにケリをつけるか、そのことによって、どのような納得感、平安を得られるかということです。と同時に、安倍元総理は日本の宰相だった方です。その死を惜しむ世界の首脳や要人達をはじめとする多くの世界の方々達に対し、日本という国がどのような対応をしたかを示すという日本国としての姿勢の問題でもあります。弔問外交の機会となるのであれば、それは日本の国益です。なぜそれを否定的に捉える方々がいるのか残念でなりません。
後世の歴史家に委ねるべきかもしれませんが、私は安倍総理の功績は極めて大きいと思いますし、公正に評価されるべきだと思います。もともと安倍総理は国内における評価よりも国際的評価が高かった。それは、今までの日本の総理が殆どやってこなかった国際的アジェンダ作りにイニシアティブを発揮したことを国内メディアが本来あるべき程には発信をしてこなかったからです。それを理解するリテラシーが日本社会に不足していることも背景にありましょう。日本は島国で基本的にドメスティックなので、そういう感覚が不足しているように思います。
第一に、「自由で開かれたインド太平洋」アジェンダです。これは、安倍元総理に直接お伺いしたこともありますが、もともと第一次安倍政権の時から温めてきた構想とのこと。中国という隣国であり将来の超大国であり安全保障上の懸念である国とどのように向き合っていくかは日本にとって今世紀最大の外交課題です。中国との安定的な関係の維持は日本にとって死活的に重要です。その時に、日中という二国間での対峙で考えては、質量ともにマネジメントが難しい。でも、日本には多くの仲間がいます。日米だけでなく、特にインドという中国と比肩し得る重みのある国が仲間になってくれれば、比重の面で対抗でき、地政学的にもインド洋から太平洋までの重要なシーレーン地帯を守ることができます。そして外交的にも、日米豪印、欧州、東南アジア諸国という状態を作りだすことができれば、それは中国という国の行動に影響を与える、日本の外交・安全保障への大きな力ということです。中国が「自由で開かれたインド太平洋」アジェンダに反発したとしても抑止効果があり、仮に、中国が「いいね一緒にやりたい」と言ってくれれば(可能性は極めて低いですが)、それもまた地域の平和に資するという素晴らしい構想です。(つづく)
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