ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2022-08-04 00:00
(連載2)安倍元総理の国葬と国民の選択
松川 るい
参議院議員
かつて、ハワイに所在する米軍はアジア太平洋司令部と称されていましたが、今や「インド太平洋総司令部」です。これは、日本の提唱した「自由で開かれたインド太平洋」戦略を米国が採用した結果です。今や、安倍総理が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」は、英仏独といった欧州主要国や東南アジア諸国にも浸透している世界的アジェンダです。「インド太平洋」アジェンダは、英仏独のみならずEUの主要戦略となっています。このこと一つとっても、安倍元総理の功績は甚大だと思います。
第二に、平和安保法制や特定秘密保護法など、世界的には常識的な法整備であっても、日本ではなかなか実現が難しかった基本法を整備し、日本の防衛を全うしたことです。現代の日本は、未だに米軍占領統治下において日本を弱体化するために作られた憲法体系に縛られている面が多々ありますが、安倍元総理はかなり「正常化」に寄与されたと言えるのではないでしょうか。日本の平和を守ってきたのは自衛隊と日米同盟であって、憲法9条ではありません。むしろ、憲法9条解釈のおかしな自縄自縛の縛りがあるにも関わらず、よくまあ平和にやってこられたなというのが元外交官としての率直な感想です。これからも、本来の「日本を取り戻す」ということはこれからの政治の大きな課題だと思います。
経済については、正直、金融緩和と財政出動まではともかく、その先の本丸であった構造改革に踏み込めなかったことはとても残念だったと思います。憲法改正も、まだ期が熟していないと思われたのでしょう。安倍政権時代には目に見える進展がなかったのは残念でしたが、岸田政権に引き継がれていくと確信しています。
完璧な人間はいません。どこかしら足を引っ張りたくなるところ、気になるところは、人によってはあるものと思います。でも、瑕疵なき人間などそもそもこの世に存在するのでしょうか。反対されている方々の論拠と功績とを比べたときに、そして日本国民の感情を考えたときに、国葬についての異論を唱える方々の論拠は、事の軽重をわきまえないもののような気がしてなりません。それから、「国葬についてのルールを明確化せよ」という議論にも若干の違和感を感じます。そんなにはっきり事前に明確化できるものなのでしょうか。これは本質において「ご葬儀」なのです。最終的には、法律にあるとおり、時の内閣が決める、それで良いのではないでしょうか。私はこの類の話は、「歴史の評価」以上に正当な審判はないと思うのです。国民の皆様が日本の民主的手続きにより選ばれた、現在の政権与党である岸田内閣が国葬の判断をした。それを尊重頂ければと思うところです。凶弾に倒れるという悲劇的な死だったから国葬というわけではありません。私は、正真正銘、安倍元総理という国民から愛された宰相であり、希代の戦略家であり外交官であられたその功績からして国葬は妥当なものと思います。是非、この論議には終止符を打って頂いて、むしろ、安倍元総理の死を無駄にしないよう、日本が日本自身の国益のために、日本人が心を合わせる機会として頂きたいと思います。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
公益財団法人
日本国際フォーラム