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2007-10-22 00:00
台湾の国連加盟を認めよ
大藏雄之助
評論家
10月は中国の月である。1日は中華人民共和国の国慶節。北京秋天。このごろ少々砂漠化で遠望がきかないが、風はさわやかだ。15日からは5年ぶりの共産党大会も開かれ、胡錦涛総書記の体制固めが進んでいる。また10日は中華民国の第97回の双十節。台湾では盛大に祝賀会が催され、台北では久しぶりに軍事パレードが目抜き通りを行進した。しかし、全体の雰囲気は台湾の独自色を示すことにあったようである。
中華民国は1971年10月にアルバニア決議によって国連安保理事会の席を中華人民共和国に奪われた。蒋介石総統はこれに抗議して国連を脱退した。1949年12月に台湾に逃れた国民政府を20年以上にわたって中国全土の代表としていたのは虚構であったから、一連の措置は正しかったが、このときに黙っていれば、多分中華民国の議席は保持されたであろう。その後14度も中華民国の国連議席回復の動きがあったが、台湾の陳水扁総統は今年初めて「台湾」の名称で国連加盟を申請した。
台湾を中国の不可分の領土とする北京政府は当然強く反対し、アメリカも台湾の現状維持を企図しているために、この申請は事務総長段階で不受理となり、安保理事会にも総会にも諮られることはなかった。だが、国連の一切の機構から台湾を排除することは妥当ではあるまい。
独立国とは、領土と人民を有し、それを有効に支配していることである。2300万人の住民を民主的に統治し、中国大陸に匹敵するほどの経済力を備え、相当の軍事力も蓄えている台湾は、「国民」が希望するならば独立を認められるべきであろう。一方で中華人民共和国は一度も台湾を実効支配したことがない。南北朝鮮は別個に国連に加盟しており、東西ドイツが同様の状態からのちに統合したのは中国・台湾の前例になりうる。正義の次元ではなく、現実の問題として、例えば台湾で悪性のインフルエンザ発生の場合、WHOは緊急に対応できないのだ。このまま無視あるいは放置しておいてよいはずはない。
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