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2022-09-21 00:00
(連載1)「ウクライナ解放」の夢は潰えた
赤峰 和彦
自営業
ロシアによるウクライナ侵略からはや7ヶ月。西側諸国によるロシアへの経済制裁やウクライナへの軍事援助で、当初のプーチン氏の目論見は崩れ去りました。ロシア軍の撤退が現実問題となるだけでなく、ロシアの国家体制が崩壊の危機にあるといえます。プーチン氏がロシアから逃げ出し西側につこうとしたウクライナに制裁を加えんとして始めたこの戦いも、結局は、ウクライナに「独立戦争」の意味を持たせただけでなく、喜劇役者出身で平時の大統領としては行き詰まりを見せていたゼレンスキー氏が護国の英雄に成り上がり、国際社会からも信頼できる大統領との評価を得る結果となってしまいました。
おかげで、この戦争は、欧州の人々の、ウクライナがNATOに入れなかった理由の一つであった、「ウクライナはならず者国家」という認識をも忘れさせてしまい、いまや、ウクライナを悪く言うことは国際的なタブーとなりました。これも、悪役プーチン氏の「功績」ともいえるでしょう。
そのような状況下にあっても、私の偏見かもしれませんが、ウクライナが反転攻勢をかけ、領土を取り戻し始めた途端、日本のメディアはウクライナ情勢をあまり報じなくなったような気がします。それは、被害者のウクライナの悲惨な状況をしかめっ面をして伝えることが快感で、しかも、そこに映像としての価値を見出しているからなのか、それとも、マフィアの親玉になったように見えるプーチン氏が怖くて遠慮しているのか、どちらかでしょう。実際、日本の報道は、ロシアによって破壊された建物などが中心です。それに対し海外の報道は、ロシアが行ったすべての戦争犯罪、すなわち、赤ん坊や子供、強姦された女性のボロボロの遺体、拷問されて焼かれた人の遺体の写真や動画なども出しています。
日本のメディアは、あくまでも自分たちの好みの映像だけを出して「戦争は悪い」と言っているのですが、それでもその主張には、戦争の加害者であるロシア批判は少なめで、むしろ、ロシアの不利益になること、つまり、ウクライナが領土奪還したとか、国際社会の制裁でロシア経済はガタガタになっているといった「戦果」に関する報道はしたくないようです。(つづく)
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