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2022-10-06 00:00
(連載2)先進諸国で高まる国内の不満と社会不安
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
今回のウクライナ戦争をきっかけにエネルギー価格や食料価格の高騰が続いている。これらによって対ロシア制裁に踏み切った先進諸国内での人々の生活は苦しさを増している。日本でもあれだけ暑かった夏も過ぎ、朝晩は涼しい、もしくは寒いということになっている。ヨーロッパ諸国では例年天然ガスの価格が安い夏に冬に備えて備蓄するということが行われていたが、今年の夏はそれができなかった。今年の冬がどのような寒さになるかは分からないが、降雪地帯も多いヨーロッパ各国では厳しい冬を迎えることになるだろう。人々は自衛策として薪を貯蔵しているという話も報道されている。
先進諸国が対ロシア経済制裁を行えばロシアはすぐに屈服するという楽観的な見通しは外れて、先進諸国の国内で不満が醸成され、社会不安が起きるような状況になっている。各国で民主化を起こす前に、自国の政権がどうなるかが分からない状況になっている。アメリカでは大統領を出し、連邦上下両院で過半数を握っている民主党に対して、11月の中間選挙で厳しい判断が下されることになる。
日本でもあれだけ盤石と見えた自民党に対しての逆風が吹いている。岸田文雄政権の支持率が低迷している。これは、安倍晋三元首相の国葬儀の強行、統一教会と自民党との深い関係、東京オリンピックでの汚職捜査の進展、これらに加えて、人々の生活に不安感が増している状況で冬を迎えるという状況がある。
ロシアとの関係を維持している新興国や発展途上国は少なくとも天然ガスに関しては、先進諸国よりもずっと有利な立場にいる。現物を握っている方が強いということ、先進諸国の自分たちへの過大評価と西側以外の国々への過小評価が一緒になって現在の状況を作り出している。先進諸国内で政情不安が起きないとも言えない。「他人の心配をしている場合か」ということだ。(おわり)
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