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2022-12-27 00:00
新型コロナウイルス第8波へ、なぜ5類にしないのか?
舛添 要一
国際政治学者
新型コロナウイルスの感染がまた拡大し、専門家は感染の第8波に入ったという判断を下している。
夏の第7波との違いは、季節性のインフルエンザの流行と重なる可能性があることである。南半球のオーストラリアでは、7,8月が冬で寒いが、今年はコロナとインフルの同時流行が起こっている。
そこで、日本でも同じダブル流行になると予想されるのである。東京都のモニタリング会議は、同時流行の場合、ピーク時の発熱患者数が1日で9万3千人に上ると想定している。その場合、医療が逼迫することが懸念されるが、重症化率が低いために、さほど心配することはないという指摘もある。
感染原因の1つは、換気である。冬になると、暖房のため密閉し、換気が悪くなる。2つ目は、第7波のときに感染が少なかった地域では、感染による免疫の獲得が少なかったと思われる。
今は、オミクロン株のBA.5が主流である。私は、10月25日に5回目のワクチン接種を行ったが、そのときに初めてオミクロン株対応のワクチンの接種が実現した。日本政府の打つ手が後手後手で、私のケースで言えば、本来は7月7日に行った4回目の接種の際にそうすべきだったのである。
日本では、戸外でのマスク着用は不要になっているが、室内はもちろん、外でもマスクをしている人が圧倒的に多い。一方、欧米ではもうほとんどマスクは目につかないし、カタールで開催されていたサッカーの競技会場でもマスク姿のサポーターは少なかった。
ゼロコロナ政策を堅持しているのは中国であるが、「共産党退陣!習近平退陣!」の声まであがった国民の抗議活動に、政府も改正緩和に乗り出した。
日本では、コロナ感染が疑われて医療機関を探すと、今は、ほとんどのかかりつけ医が、PCRや抗原検査、そして診療をできるようになっている。圧倒的に多くの患者が無症状、軽症であり、医師は投薬すら行わず、自宅静養を指示するのみである。患者はスマホのアプリで保健所に感染を報告するだけだ。
数日後に、患者用のパルスオキシメーターや家族用の抗原検査キットが送られてくるが、完治して問題がなくなってから届く。何の意味もなく、税金の無駄遣いである。
コロナを2類から5類に変えないために、医療現場では不要なことがまだ行われている。保健所をはじめ、既得権を死守しようとする一部の者が行っている愚行である。
国民にとっては、ワクチン接種、医療費などが有料になることが懸念材料であるため、そうでなくても人気の無い岸田政権は、5類への変更はできないだろう。しかし、5類に変えても、ワクチン接種費用の無料維持は、政策的に可能である。
季節性インフルのほうが致死率が高くなる可能性があるのに、コロナをインフルと同じ5類にしない理由はないのである。
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