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2023-03-03 00:00
先日の大雪などによる列車の立ち往生から感じたこと
猪野 亨
弁護士
先般、大雪の中で、JR西日本ですが、長時間、立ち往生し、その間、列車内は満員状態でありながらこれを放置した、ということが問題になりました。何故、長時間も車内に閉じ込められなければならなかったのでしょうか。本当に酷い話です。
「JR西社長が改めて謝罪 京都駅基準『なくなった』」(共同通信2023年2月20日)
「大雪で立ち往生、JR西日本社長が陳謝『備えや対応、全く不十分だった』」(京都新聞2023年2月20日)
「立ち往生から60分以上たっても乗客を降車させなかったことについて、『最前線の声を的確に生かすことができなかったという痛切な反省を踏まえ、目の前のお客さまの状況に最善と考えることを即断する鉄道オペレーションに改善する』と述べた。」
「当時は多数の列車が同時に立ち往生し、運行指令を担っていた指令所が混乱。体調不良者が続出していた列車の車掌らは、乗客を降ろす判断を仰いでいた。」(https://news.goo.ne.jp/article/kyoto_np/region/kyoto_np-20230220164703.html)
そうした事態であったにも関わらず降車の許可は出さなかった。問題はここであって、事前の備えの問題ではありません。もちろん事前の備えがあってこうした事故が起きないようにすることも大切ですが、それができず不測の事態に陥ったときの対応が問題でした。「目の前のお客さまの状況に最善と考えることを即断する鉄道オペレーションに改善する」がどのようなものを差しているのかわかりませんが、JR西日本の場合には会社側の規則に反した場合、あの「日勤」が待っているのではありませんか。
社員がその場に応じた臨機応変に自主的な判断できない体質こそ問題でしょう。日勤教育の弊害が未だに残っているのではないでしょうか。
JR北海道もこうした問題が時折ありますが、最近はこうした閉じ込めのニュースはあまり聞きません。「今冬のJR北海道、12-1月の運休は昨冬の3分の1程度に…2月は計画運休が功を奏す」(esponse 2023年2月16日)
一番、酷かったのは2011年5月,列車が炎上した事故ですが、JR北海道は乗客を降車させることを拒否し、乗客が自らの判断で避難したというあってはならない対応でした。
(「1. 一連の事故・事象等について」 https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/safe/01_01.html)
JRの信用は地に落ちました。降車を許可しなかったJR西日本の判断に合理性は一片もありませんでした。雪で立ち往生しているのであれば、その辺りで列車が通過する可能性もなく、安全面では問題ありません。
雪で立ち往生した場合であっても見通しが立たないのであれば、中に残るも残らないも自己責任になるので自主的に判断して降車するということが重要になってくるのではないでしょうか。
JR側にこれを非難する資格はありません。
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